清水建設は、鳥取市にある国指定重要文化財(重文)「仁風閣」の保存修理に本格着手する。建物を覆う全天候型足場「素屋根」の架設を開始した。大空間で天候に関係なく作業ができる環境を構築。床下の構造補強や屋根の葺(ふ)き替え、木部の補修・取り換え、壁・天井紙の張り替え、煙突の更新といった作業を慎重に進める。工期は2027年9月まで。
素屋根の大きさは間口27メートル、奥行き34メートル、高さ22メートル。10月末までに建物を完全に覆う。素屋根を解体し、仁風閣の新たな姿が披露できるのは27年6月ごろになる。
仁風閣は、1907年に鳥取城跡で旧鳥取藩主・池田侯爵別邸として建てられた。建物はW造2階建て延べ1073平方メートルの規模。ルネサンス様式を基調とし、外装の水平ラインを強調した装飾などの幾何学的な美しさが特徴だ。迎賓館赤坂離宮(東京都港区)などを手掛けた片山東熊が設計した。
保存修理工事は市が発注し、設計を文化財建造物保存技術協会が担当した。建物の部材を再利用するため慎重に解体し、腐朽が進行して再利用できない部分は新材に置き換える。部材に残るくぎや加工の痕跡も調査し、新築時のものか、保存修理で取り換えたものか診断して記録する。
当面は素屋根の架設と並行し、1階の床板を取り外した床下に構造補強材を取り付ける作業にも取り組んでいく。