主要ゼネコン26社/25年4~9月期決算、21社増収・全社営業増益

2025年11月17日 企業・経営 [1面]

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 主要ゼネコン26社の2025年4~9月期決算が14日に出そろった。連結売上高は手持ち工事を順調に消化し21社が増収。本業のもうけを表す営業利益は全社が前年同期の実績を上回り、うち9社が最高を記録。多くの社で単体の完成工事総利益(粗利益)率が前年同期を超え、採算改善が顕著に現れた。26年3月期業績予想の上方修正も相次ぐ。各社は引き続き受注時採算の改善を徹底するなど、利益確保を最優先する。
 連結売上高が前年同期を上回った21社のうち、鹿島や長谷工コーポレーション、インフロニア・ホールディングス(HD)、五洋建設など12社が過去最高を更新した。
 営業利益が過去最高になったのは鹿島、大林組、大成建設、インフロニアHD(事業利益)、五洋建設、戸田建設、高松コンストラクショングループ、東亜建設工業、奥村組、淺沼組、ピーエス・コンストラクション、東鉄工業の12社。「数年前から採算性の高い案件の選別受注に取り組み、成果が出始めた」(高松コンストラクショングループ)など、採算重視の姿勢が奏功した。

 □工事採算改善進む
 土木、建築別で粗利益率(単体)を公表した19社のうち、土木は12社、建築は17社が前年同期値を超えた。土木は15社、建築も10社が2桁台を確保。工事採算の上昇に加え、「原材料費や人件費などを反映した価格転嫁の徹底で利益水準を上げられた」(熊谷組)など各社は取り組みを徹底している。
 業績の先行指標となる単体受注高は13社が前年同期比増となった。五洋建設は「防衛やカーボンニュートラル(CN)、大型物流倉庫などの受注が押し上げた」ことで過去最高となった。受注環境は良好だが「この状況が続くのは向こう3年くらい」(準大手担当者)との見方もある。円安による原油や輸入資材の価格上昇、労務需給の逼迫(ひっぱく)などの懸念もある。
 好調な事業環境を背景に、14社が26年3月期の業績予想を上方修正した。鹿島は通期の連結売上高で最高の3兆円を設定。各社は協力会社と一体で堅実な施工体制を敷き、高水準の業績を維持する。