大成建設は、米オープンAIと連携した「生成AIプロジェクト」を開始した。オープンAIが提供する法人向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」を活用し、生成AIを使いこなせる人材(人財)育成や業務変革に取り組む。社員一人一人が生成AIを実際の業務でどう生かせるかに着目し、建設現場とオフィスで業務の生産性向上を目指す。
17日に発表した。国内の建設会社がオープンAIと連携するのは初めてになる。現場やオフィスでの生成AIサービスの本格活用に向け▽実践型プログラムの展開▽オープンAI日本法人と連携した伴走支援▽業務改革の推進-の三つを展開する。
実践型プログラムでは基礎から応用まで体系的に学べる研修を行い、社員が日常業務でAIを自然に使いこなすスキルの習得を促進。オープンAI日本法人との連携では集合研修・ワークショップなどを通じ、社員一人一人の業務内容に対応した「カスタムGPT」を構築する。業務改革では設計・施工や営業支援など多岐にわたり活用していく。
大成建設によると、オープンAIが提供する法人向け生成AIサービスなどを導入して以降、1人当たり週平均5・48時間の業務削減効果が発現。一部社員からは「特定の業務で7~8割の時間削減を実感している」との声も出ている。
大成建設は2025年度に250人で始動した生成AI活用の人材育成プログラムを、8月に1000人体制へ拡大した。オープンAIの法人向け生成AIサービスを全社員に順次広げ、各部門で生成AIの導入・定着を支えるリーダーを育成する。
相川善郎社長は「生成AIを使いこなす力は当社の競争力を支える基盤となり得るものだ。社員一人一人が業務に合わせて活用できる環境と学びの機会を整えることが重要。活用を段階的に広げ、未来の建設業の働き方と在り方を共に切り開く挑戦を進める」とコメントした。









