ユニクロ/企業・学校向けユニホーム事業強化/「圧倒的ナンバーワンめざす」

2025年9月4日 企業・経営 [3面]

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 ユニクロを運営する衣料品大手のファーストリテイリングは、企業や学校向けユニホーム事業を強化する。少子高齢化や国内市場の成熟を踏まえ、法人・団体需要に商機を見いだし、体制を刷新する。価格面や品ぞろえの豊富さ、「エアリズム」や「ヒートテック」といった快適性に優れた高機能素材を武器に、事業規模の拡大を狙う。
 1月に「ユニフォーム&カスタマイズ部」を新設した。従来の営業体制や顧客基盤に、海外の五輪代表ユニホームなどで培った知見を融合する。9月からは注文対象をユニクロのほぼ全品番に拡大した。
 注文は専用オンラインストアで受け付ける。税込み10万円以上の発注を対象にシルクプリントや刺しゅうを施せる。納品期間は加工なしで最短3日、加工する場合は最短3週間とした。
 法人・団体向けサービスは2000年代初頭から取り組み、16年にオンラインストアを開設。20年に現行の「UNIQLO UNIFORM」(ユニクロユニホーム)に改称した。会員数は26年8月期中に2万件を突破する見込みだ。
 柳井康治取締役兼グループ上席執行役員は、東京都港区の同社東京本部で2日に開いた記者会見で「比較的早期に中核事業の一つに成長するほど大きいチャンスがある」と見通しを説明。「新しい作り方、着用の仕方をお客さまと一緒に生み出し、ユニホームの世界でも圧倒的なナンバーワンを目指す」と力を込めた。
 建設現場のニーズには「ユニクロに期待されるのは手軽さや価格面、着心地だと理解する。まずは特殊な機能よりも、便利な普段着を職場でも使いたいという要望に応えていく。ユニホームから市販品に生かせる機能などがあれば積極的に反映したい」と述べた。