宮城建設女性の会/現場視察研修会開く/災害に強い道路、トンネル現場を見学

2025年9月16日 行事 [6面]

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 宮城県建設業協会の宮城建設女性の会2015(武山利子会長)は11日、建設現場など視察研修会で、宮城県が災害に強い道路ネットワーク構築を目的に建設する「(仮)大谷川浜小積浜トンネル工事」(石巻市)などを見学した。研修会には会員企業に所属する技術者、事務職ら23人が参加。トンネル現場の施工過程や安全管理を学んだほか、2024年12月に開通した出島大橋(女川町)で安全と暮らしを支えるインフラ整備に理解を深めた。3・11伝承ロード推進機構(今村文彦代表理事)が企画・運営に協力した。
 視察現場は、主要地方道女川牡鹿線「大谷川浜小積浜道路改良事業」(延長1840メートル)の一環で、石巻鮎川線と女川牡鹿線を東西に結ぶ道路のトンネル区間(888メートル、石巻市大谷川浜小積道山~小積浜田ノ入山)。安藤ハザマ・橋本店・木村土建(宮城県東松島市)JVの施工で、24年7月に掘削を開始した。トンネル(NATM)、掘削・支保工、覆工コンクリート・防水工820メートルなどの作業が進行。参加者は坊澤慎太郎作業所長からトンネル工事の技術面や作業状況、安全の工夫などについて説明を受け、坑内を見学。坊澤所長は「進捗率は70%程度。事前調査から評価、計測を繰り返し、安全に作業を進めている」と解説した。トンネルは10月末の貫通を目指している。
 この後、道の駅「おながわ」や出島大橋を訪れ、復興まちづくりの現状や防災、地域活性につながる道路ネットワークの重要性を再確認。移動中のバスでは災害の備えと防災意識を高めるため、震災関連のDVDも視聴した。
 武山会長は「建設業はインフラ整備で日々の生活を支え、災害から暮らしや命を守る仕事。自分たちの仕事に誇りを持ち、女性がもっと活躍できる建設産業になるよう、交流を深めていきたい」と話した。