関西電力/美浜原発(福井県美浜町)1号機建替/11月から地質調査

2025年9月19日 企業・経営 [10面]

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 関西電力は、福井県美浜町にある原子力発電所「美浜発電所(1号機)」の建て替えに向け、自主的に行う現地調査の計画をまとめた。11月から2027年3月までボーリング調査などの概略調査を行い、立地に優位なエリアを選定。その後、選定エリア内で試掘坑調査などを進め、原子炉の設置に適した地質、地盤かを確認する詳細調査を30年ごろまで行う。
 概略調査は発電所の北側、南側の二つのエリアで、ボーリング調査や弾性波探査、地表踏査を実施。地質の分布や地盤の硬さ、岩石の性状などを把握した上で候補エリアを絞り組む。詳細調査では2メートル程度の坑道を掘削し、地盤を構成する岩石などを面的に把握する試掘坑調査や弾性波探査、深浅測量(海域)、地震に関する調査を通じて地形・地質状況を詳しく調査する。
 関西電力では調査結果に加え、革新軽水炉の開発状況や規制方針、資金調達の実現性などを総合的に判断し、後継機設置の可否を判断する方針だ。
 美浜発電所は15年4月に1、2号機が廃止され、現在は3号機だけが稼働している。関西電力では「ゼロカーボンビジョン2050」に原子力発電所の新増設・リプレースの実現を掲げており、後継機の事業成立性検討の一環として自主的な現地調査を開始する。