戸田建設が長崎県五島市沖に建設していた国内初の「浮体式洋上風力発電所」が、2026年1月に稼働を開始する。水深の深い海域でも設置が可能な浮体式は、再生可能エネルギーの安定供給を支え、洋上風力発電の拡大を後押しする技術として注目されている。同社は部材製造に地元企業を参画させ、地域経済の活性化と共生を目指すプロジェクトとして準備を進めてきた。全国に先駆けたモデルケースとして、成果に大きな期待が寄せられている。 =1面参照
 プロジェクトでは、五島市福江島の東約5キロの海上に実証機「はえんかぜ」を設置した。「五島洋上ウインドファーム」では、さらに沖合2キロに4キロの範囲で8基の風車を並べた。同社は10月31日、ウインドファームの現地を報道陣に公開した。執行役員土木技術統括部副統括部長の小林修氏は「(浮体式洋上風力発電所は)地球温暖化といった環境課題解決の切り札となる。より大型化に向けぶれずに取り組みたい」とした。
 風車には、世界初となる「ハイブリッドスパー型」と呼ばれる方式を採用している。コンクリートと鋼を組み合わせた円筒型の基礎部分を、釣りの浮きのように垂直に海上へ浮かべ、その上に風車を設置する仕組みだ。基礎は鎖で海底とつながれ、所定の位置に固定される。発電出力は1基当たり2・1メガワットで、基礎と風車を合わせた全長は176メートルに達する。
 世界的に洋上風力発電機は大型化が進む傾向にある。同社は、各国の動向や政府による浮体式洋上風力発電の実証海域拡大などを視野に入れながら、事業のさらなる展開を目指していく方針だ。
 同社の小林修執行役員土木技術統括部副統括部長は「(浮体式洋上風力発電所は)地球温暖化といった環境課題解決の切り札となる。より大型化に向けぶれずに取り組みたい」と話している。
        










