アジアパイルホールディングス(HD)の事業会社ジャパンパイルは、高支持力杭工法の性能を最大限に引き出す新しい杭頭接合構法を開発した。「Smart-PILECAP構法」は、パイルキャップに杭を埋め込み、杭頭接合部の耐力を高める。過密になりがちな杭頭部の定着筋の本数を削減できる。実験データに基づき埋め込み部の配筋の設計手法も確立。日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。
同構法はパイルキャップに埋め込んだ杭頭部分の曲げ抵抗を評価し、定着筋本数の大幅な削減や、鋼管厚の厚いSC杭の採用が可能になった。配筋の設計手法を確立したことで、高い安全性や信頼性も確保している。性能証明の適用範囲は直径600~1500ミリのSC杭。大地震を想定した杭基礎の2次設計を含め配筋の設計手法で認証を取得した。
今後は、主力の高支持力杭工法「Smart-MAGNUM工法」に新構法を積極活用する。合理的な高支持力杭の設計によるコストダウンや設計自由度の向上など、経済的で効率の良い設計提案を展開。年度内にも社内体制を整え提案活動に入る。
杭の支持力を高めると、杭頭部に作用する地震時の水平力や曲げモーメントが大きくなる。性能確保で杭頭定着筋の本数が増えて過密になり、配筋の納まりや施工性の確保が課題になっていた。










