建設機械大手3社(コマツ、日立建機、コベルコ建機〈神戸製鋼所建設機械部門〉)の2025年4~9月期決算が10日に出そろった。前年同期と比較し円高になった影響もあり、コマツと日立建機は減収営業減益。米国の関税政策は「需要への影響は明確には見られない」(コマツ)、「北米での独自展開事業は底堅く推移している」(日立建機)とし、懸念していた需要減速は軽微だった。
コマツは建設機械・車両部門で販売価格の改善を進めたものの、主要通貨で為替が円高になったことに加え、物量減とコスト増が響き減収減益になった。地域別の売上高は、欧州やアフリカ、中近東などで伸長したものの、アジアや北米、日本などで減少した。
日立建機は、アジアで売り上げを堅調に積み上げ、北米独自展開事業も底堅く推移したため、為替影響を除けば増収となった。マイニングのメンテナンス需要も一部地域で改善傾向が見られ「第1四半期(4~6月)と比較すると業績は回復傾向にある」と判断する。
コベルコ建機は固定費を中心としたコストの改善効果があったものの、各地域の収益低下などで減益となった。
26年3月期の業績予想を見ると、コマツは建機・車両部門で売り上げに価格改善のプラス影響があることなどを見込み、売上高と営業利益、経常利益を上方修正したが、減収減益は変わらず。関税によるコスト増の影響(米国在庫分を除く)は、初期に785億円の増加と想定したが、コスト改善が奏功し550億円まで縮小する見通しだ。
業績が回復傾向にあることから日立建機は、26年3月期の連結業績予想で売上高と営業利益、経常利益、純利益を上方修正した。コマツと同様に減収減益の見通しは現時点で据え置いた。米関税政策で8月に鉄鋼・アルミ関税の対象品目が拡大した影響を受け、営業利益ベースの原価増を年間103億円(前回86億円)と試算。6月と10月に販売価格を引き上げた効果で、40億円(前回23億円)分を吸収する。レンタルビジネスの強化や原価低減などの対応策も継続し、影響を最小限に抑える考えだ。










