日建連首脳が会見/労働時間規制の柔軟運用を/画一的な規定合わず、多様な働き方追求

2025年11月27日 行政・団体 [1面]

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 日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長ら幹部が26日に都内で記者会見し、高市早苗首相が厚生労働相に指示した労働時間規制の緩和検討について「建設産業は一品生産で天候の影響も受けやすい。画一的な規定はそもそも合わないという側面がある」と述べ、現行制度の限界を指摘した。
 働き方改革に関連し、会員企業には「もっと働きたい」「夏場を避け働きやすい時期に集中して働きたい」などさまざまな要望がある。宮本会長は「ニーズに応えられるよう日建連で検討し、要望していきたい」と語った。週休2日制の定着には「土日閉所の検討が避けられない」との認識を示した。押味至一副会長(土木本部長)は、上限規制の運用開始後に現場で課題が出ているとし「規制内の画一的な話では経済活動の妨げになる」と強調。「働きたい人が働ける環境づくりを考えれば制度は成り立つ。現場の実情に合わせた応用を部会で検討したい」と述べた。
 蓮輪賢治副会長(建築本部長)は、業種や事業規模ごとの実態を踏まえた制度設計が必要と指摘し、「多様な働き方とは何かを、データに基づき精緻に詰めるべきだ」と主張。「見えにくい実態も多いが、厚労省には業界の現状を理解し、柔軟な制度運用につなげてほしい」と求めた。
 会見では、政府の総合経済対策への期待も示された。対策には「防災・減災・国土強靱化の推進」が盛り込まれており、宮本会長は2025年度補正予算と26年度当初予算で施策が十分な規模で展開できるよう、必要な予算確保を期待するとした。
 宮本会長は、閣議決定された「第1次国土強靱化実施中期計画」などを踏まえ、25年を「持続可能な産業構造への転換が確実に前進した一年」と総括。来年以降も「魅力ある、選ばれる産業の実現に向けて取り組みを着実に進める」と意気込みを示した。