佐賀県は佐賀総合庁舎の敷地内(佐賀市八丁畷町、1万3530平方メートル)に新設する佐賀県立大学(仮称)新校舎の基本設計概要を公表した。敷地の南側にA館、中央側にB館を新築する計画で、規模は総延べ7744平方メートル。B館には355人収容の大講義室を設ける。C館として継続利用する北側の既存建物の改修費を含めた建設費は最大130億~140億円程度になる見込み。
各棟ごとの規模はA館がS造4階建て延べ6556平方メートル、B館が同平屋1188平方メートルで、C館とするために改修予定の既存建物はRC造4階建て延べ4830平方メートル。基本・実施設計は梓設計・渋江建築設計事務所JVが担当。
設計コンセプトとして、「まちのようにキャンパスをつくる」を掲げ、学生や地域住民、企業などの多様な人々が交流できる場を目指した。校舎は当初、新築のA館と改修のC館の2棟構成を想定していたが、基本設計を進める中で利用者の多い大、中の講義室を敷地中央に設置する案が浮上し、B館を含めた3棟構成に変更した。
A館の1階には地域連携センター、2階には図書館、3~4階には講義室などを配置。B館には大講義室のほか、150人程度収容の中講義室を設け、中講義室の上には屋上テラスを整備する。
講義室は新築部分に設け、C館は大学の運営・管理機能だけとする計画だったが、C館内にも小、中規模の講義室を設け、2階部分にA、C館を直結する渡り廊下を設けて各施設の回遊性を高める計画に見直した。
環境配慮の取り組みとして、外壁や屋根などの高断熱化を図る。省エネルギー効果の高い空調機、太陽光発電設備も導入し、「ZEB Ready」の達成を目指す。
建設費は10月時点の試算結果で約104億円。今後の実施設計の進捗、近年の物価や人件費の高騰を考慮すると、130億~140億円程度になるとの見通しを示した。
26年9月末に実施設計を完了後、施工者選定の手続きを進め、27年4月ごろの着工を目指す。開学予定の29年度は改修工事が完成するC館で講義などを行い、30年度に新築するA館、B館の供用を開始する。







