政府が28日にも閣議決定する2025年度補正予算案で、国土交通省関係の公共事業関係費が国費ベースで2兆0873億円となることが分かった。24年度補正予算と比べると1748億円、9・1%の増額となる。第1次国土強靱化実施中期計画の初年度分は公共事業で1兆2346億円を計上し、24年度補正予算で国土強靱化関係として積まれた1兆1315億円を上回る額となる。補正予算案は開会中の臨時国会に提出され、年内に成立する見通しだ。
21日に策定した「総合経済対策」の三つの柱に沿って関係予算を積み上げた。柱の一つとなる「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」の一環で「令和の国土強靱化の実現」を推進する。
主要な公共事業として流域治水の推進に2755億円、国土強靱化につながる道路ネットワークの整備・機能強化に2122億円、重要インフラの老朽化対策に1752億円、地方自治体の支援に充てる防災・安全交付金などに4074億円を計上する。
24年度補正予算には国土強靱化関係として「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の最終年度分に加え、資材価格の高騰で実質的に減少する事業量を補うことを目的とした国土強靱化の「緊急対応枠」と、能登半島地震などの教訓を踏まえ緊急に対処すべき経費に活用する「緊急防災枠」を別枠で計上していた。今回は実施中期計画の枠内で資材高騰などの影響を加味し、別枠計上することなく前年度の額を上回った。
国土強靱化関係以外の公共事業は、能登半島地震などの災害復旧事業に4950億円を計上。生産性向上につながる道路ネットワークの整備に717億円を計上するなど、地域産業の活性化にも重点を置く。エネルギー・資源安全保障を強化する一環で、省エネ住宅の新築や改修に充てる補助金として1750億円を用意。そのうち750億円を、特に性能が高い「GX志向型住宅」の新築を支援することを目的に「GX経済移行債」の発行で賄う。
国庫債務負担行為(国債)は、寒冷地などの実情に応じた効率的な発注のためのゼロ国債に777億円、実施中期計画の大規模事業などを対象とする事業加速円滑化国債に1291億円を設定する。
公共・非公共を合わせた国費総額は2兆4817億円。これ以外に財政投融資に156億円を充てる。







