NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)や大林組、東北大学、仙台市ら10者は、建設現場などをフィールドに、AI・ロボット活用の実証実験を始めた。通信環境に応じ異常検知するエッジやクラウドAIを分散処理し、通信量の削減効果を検証。メタサーフェス反射板(人工媒質〈メタマテリアル〉のデバイスを用いた反射板)での送受信端末位置に応じた電波反射方向制御で、不感エリア解消の効果を検証する。実証期間は5~19日。
実証実験は、総務省の2024年度補正予算「地域社会DX推進パッケージ事業(AI検証タイプ)」に採択されている。
実証フィールドは仙台市役所本庁舎整備第1期建築工事と東北大学青葉山新キャンパスの2カ所。建築工事現場では噴煙監視を取り上げ、煙の検出を通して異常検知エッジAIとクラウドAI連携の通信量削減効果を評価する。
実際の建築現場でユースケースを想定し、足元が土で周囲に建材や足場、建設途中の建物が存在し、背景が遮音や目隠しのための仮囲いなどになっている映像データを解析対象とする。主に作業者がいない時の自動噴煙監視を想定しているため、人の映り込みは基本的にない環境で実施。一方、工事現場では、不審者の侵入も監視対象となることから、同様の環境で人物検出についても評価する。
工事現場内の公衆5Gの不感エリアに対し、メタサーフェス反射板を活用して電波を反射させてエリア拡張の有効性を検証する。
キャンパス内では農場での鳥獣監視を取り上げ、鳥獣の検出を通して異常検知エッジAIとクラウドAI連携の通信量削減効果を評価。実際の鳥獣害対策のユースケースを想定し、広域環境で任意の鳥獣監視視点を実現できる移動ロボットに搭載したカメラによる取得映像を解析対象とする。
キャンパス内の公衆5G、LTEの不感エリアに対し、メタサーフェス反射板を活用して電波を反射させエリア拡張。合わせて動的な反射方向制御を適用することで柔軟なエリア拡張の有効性を検証する。
構成メンバーは▽NTTドコモビジネス▽ドコモ・テクノロジ▽情報通信研究機構(NICT)▽AGC▽ポケット・クエリーズ▽横須賀リサーチ・パーク▽大林組▽東北大学▽仙台市▽NTTアクセスサービスシステム研究所-の10者。








