あおぞら、愛らんど、はるかぜ--。これは国土交通省の各地方整備局が保有する防災ヘリコプターの名称で、順に関東、四国、九州の各整備局に所属する。最も歴史があるのは、初代あおぞら号で建設省(現国交省)が1988年に導入した▼先日、機体のメンテナンスを行っている東京都内の駐機場を取材した。高い天井の格納庫には民間を含め3、4機が所定の位置で待機していた▼2018年に運航を開始した2代目あおぞら号は最大航続距離が約540キロ。空撮映像を配信するための機材を積み込んだ機内は秘密基地のよう。能登半島地震や台風が猛威を振るった東京・八丈町など、さまざまな災害現場で活躍した▼緊急要請にも対応できるよう、格納庫では整備士が黙々と機体を点検していた。自動車と同様に定期点検があり、厳しい審査をクリアするまで整備士は気が抜けないそうだ▼万全の準備があればこそ、災害時に素早く対処できる。復旧・復興活動に対応するため日々の訓練に励む職員、防災ヘリの安全な飛行に向け、たゆまぬ努力を継続している整備士。目立たないことろで国土の安全は守られている。








