恵比寿ガーデンプレイス/スタートアップが集積するまちに/サッポロ不開発

2025年12月22日 工事・計画 [4面]

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 複合都市のパイオニアとして1994年に誕生した東京都渋谷区の「恵比寿ガーデンプレイス」が、「ひらめきが生まれるまち」をコンセプトにした街区に生まれ変わろうとしている。施設内にスタートアップを支援する拠点を新設し、企業同士の出会いや交流を後押しする。恵比寿駅周辺に建てた主にスタートアップ向けのオフィスビルと組み合わせ、街の価値を高める。
 恵比寿ガーデンプレイスを運営するサッポロ不動産開発が「恵比寿まちづくり戦略」で示した。同社の担当者は「スタートアップをさまざまな面で支援し、恵比寿でビジネスチャンスを創出する」と説明する。
 ポイントは企業の成長を促進するのに必要な拠点の整備だ。12月にはガーデンプレイスにある「グラススクエア」1階で、イベントスペース「エビス・ザ・スポットライト」の運用を始めた。交流や共創が生まれる場所に位置付けている。
 オフィスビルの建設も推進。2026年3月には「Sreedシリーズ」の6棟目が渋谷区東3に完成する。会議室や家具などをあらかじめ配置したセットアップオフィス。S造10階建て延べ1972平方メートルの規模で、設計・監理はジャイロアーキテクツ、施工は新井組が担当している。
 ガーデンプレスにある既存マンションも積極的にリノベーションする。築30年の「恵比寿ガーデンテラス弐番館」は、隣り合う1LDKの住戸で壁を取り除き2LDKの間取りに変更。広さが100平方メートルを超えるファミリー向け住戸として提供する。1LDKを維持する住戸は在宅ワークやプライベート時間がより快適に過ごせる環境を整えた。
 ガーデンプレイスの施設は新陳代謝が進む。三越恵比寿店が入っていた建物は「センタープラザ」になり、アパレルショップや飲食、食料品など26店舗が入っている。ビアレストランがあった建物は、音楽と食事を楽しむ「ブルーノート・プレイス」に生まれ変わった。