愛知県は22日、県美術館と県陶磁美術館、県立芸術大学が活用する全国初の共同収蔵庫整備の基本計画と基本的な考え方を公表した。施設の整備・運営にはPFIのBTO(建設・移管・運営)方式を導入する考えで、2026年度に事業者を公募し選定する予定だ。30年度の完成が目標。
各地にある美術関連施設・大学はそれぞれ収蔵・保存機能を有しているが、収蔵スペースに余裕がなくなってきたため以前から共同収蔵庫の検討を進めていた。施設の規模は延べ8000平方メートル程度とし、収蔵面積は5700平方メートル程度を確保する。効率的に収蔵スペースを確保するため中2階(ロフト)を設置。建物の高さは利便性を考慮し3階建て相当(20メートル程度)を想定している。建設地は元県立常滑高校敷地(常滑市奥栄町1の168ほか)。敷地面積は約5・9ヘクタール。
施設計画は、使用に支障を来さない強度と剛性を確保。断熱性や気密性を十分に考慮し、壁や天井、床などは二重構造を基本として環境抑制と保護性能を強化する構造計画とする。
事業期間は設計・建設期間が3年9カ月程度(27~30年度)を想定。共同収蔵庫の一部では、県立美術館の収蔵環境を活用した収益事業を付帯業務とすることも想定している。維持管理・運営期間は20年。
「美術品等共同収蔵庫整備基本計画」と「美術品等共同収蔵庫整備等事業に関する基本的な考え方」は、今後の実施方針などに反映させるために公表した。民間企業からの意見を踏まえ、26年4月以降に実施方針の公表、特定事業の選定、入札説明書の公表、落札者の決定に関する手続きを進める。
事業者選定は総合評価一般競争入札(WTO対象)の採用を想定している。参加資格は単体か企業グループ。選定後にSPC(特別目的会社)を設立する。問い合わせ先は県民文化局文化部文化芸術課(電話052・954・6703)。








