ベトナムで電工として働いていたが、26歳の時に「日本で稼ぎたい」と思い、技能実習生として来日した。就職先は埼玉県戸田市にある鉄筋工事会社の小林興業(小林正人社長)。「7月に入り、1カ月間日本語を勉強し、その後すぐに現場に出た。とにかく暑かった」というのが、現場の第一印象だった。
◇技能実習生から国内初の登録鉄筋基幹技能者に
ベトナムではRC造の建物が少なく、鉄筋工という職種もない。初めての鉄筋作業に戸惑いながら、見よう見まねで働いた。3年間の技能実習を終え、建設就労制度に移行。その後、特定技能1号となった。特定1号の2年目に経験年数が7年となり、1級鉄筋技能検定に初挑戦して合格した。
「実技試験は仕事後、先輩の教えを受けながら組み立てを練習した」。筆記試験は、社長からもらったベトナム語に翻訳された過去問題集を読み込み、日本語の過去問題集も繰り返し勉強した。その後、施工図試験にも合格。特定技能2号となり、来日12年目の今年、念願の登録鉄筋基幹技能者になった。
「日本はきれい。いろいろな町を散歩するのが好き」。今は母国にいる妻と3人の子どもたちと、携帯電話でやりとりするのが楽しみだ。いずれは家族を呼び寄せたいとも話す。
「仕事は楽しい。鉄筋を担ぐのは大変だけど、組み立ては好き。定年まで日本で働きたい」。日本語はまだまだ勉強中だが、言葉に力強さと頼もしさを感じた。
(ベトナム出身、38歳)








