竹中工務店ら3社は、けん引式の水素発電装置を開発した。水素タンクと燃料電池を車両(被けん引車両)に搭載した移動式電源。水素を燃料に発電し二酸化炭素(CO2)排出量がほぼゼロになる。水素発電、太陽光発電、蓄電池を併用した安定的な電源システムで、設置後すぐに一般家庭2日分の電力(約20キロワット時)を供給。タンク交換で継続的に給電できる。自社の建設現場で工事用電源に活用試行するなど実証を進める。
同社、那須電機鉄工(東京都新宿区、鈴木智晴社長)、日本フイルコン(東京都稲城市、名倉宏之社長)の3社が13日に発表した。竹中工務店と那須電機鉄工が開発した水素吸蔵合金タンクは、水素ガスを安全で容易に貯蔵、運搬できる小型軽量タンク。繰り返し利用ができるのも特徴だ。
3社は、水素タンク4本と燃料電池1台を車両に搭載することで移動式電源を実現した。車台の上に太陽光発電設備も備えている。太陽光を含め発電出力は約1・0キロワット。蓄電池の容量は8・1キロワット時。設置後に約20キロワット時の電力を供給でき、すぐに使用したいというニーズに対応。1日1回のタンク交換で、継続的に電力供給する仕組みだ。
水素タンクは高圧ガス保安法や消防法の規制対象外で、誰でも交換作業が行える。1人で作業する場合、約10分で交換できる。
水素は化石燃料と比べ長期貯蔵でき、電源用備蓄燃料としても活用可能。低振動、低騒音、無臭で発電するため、周囲への影響を抑制。特に人口密集地や夜間などの工事に適している。
建設現場や被災地、イベントなどで簡便に利用できる電源として活用する。プロトタイプの車両を竹中工務店の作業所で試行。小規模な現場事務所の補助電源や、照明器具や排水ポンプといった軽作業用の電源などを想定している。企業や地方自治体と連携した実証も予定している。
竹中工務店が全体システムの計画や車体設計・製作、性能評価、実証を担当。那須電機鉄工は水素タンクシステムの小型化、日本フイルコンは燃料電池システムの小型化と各システムの連携を担った。
今後、実証を通じた仕様の絞り込みと商品化を検討する。グリーン水素の製造充填拠点や水素配送網の構築など、社会インフラの構築に向け新たな協業パートナーとの連携も進めたい考えだ。








