国土交通省は建設工事の施工管理や監督・検査に用いる電子データを受発注者間でやりとりする情報共有システム(ASP)の活用範囲を拡大する。現場立ち会いなどの日程調整を効率化する仕組みを2026年度の初めごろまでに運用開始する予定。複数の工事で受注者がそれぞれ異なるASPを利用していても、発注者のスケジュールを共有し日程のすり合わせができるようにする。工事関係書類の様式をデジタル化し、施工管理ソフトなどからデータのまま提出できるような仕組みの検討も26年度に始める。
国交省は関係団体とつくる「監督支援システム検討会」で、デジタルデータの活用による書類削減や施工管理・監督・検査の効率化への方向性を議論している。検討会には日本建設業連合会(日建連)と建設情報共有システム協会(CISSA)、施工管理ソフトウェア産業協会(J-COMSIA)が参加する。
受注者ごとに異なるASPや施工管理ソフトを利用していることに起因した監督業務の煩雑さの解消などが主な検討課題となる。まずは比較的簡単なデータのやりとりで済む日程調整に焦点を当てて、複数のASP間で発注者のスケジュールを共有する試行を今月開始した。
日程情報を自動的に共有できる「監督支援システム」をASPベンダー側で新たに整備。発注者が個別に対応しなくても、同システムを介し受注者間で日程のすり合わせができる。試行結果を踏まえ同システムを改良し、年度明けに運用を始める見通しだ。
次のステップとして26年度に工程調整のためのデータの一元化を検討する。受注者が異なる施工管理ソフトで作成した複数工事の工程データを、発注者が一括して確認できるようにする。
工事関係書類の様式のデジタル化は、発注者として必要な確認項目をエクセル形式などのフォーマットで提示し、受注者が施工管理ソフトなどからデータのまま提出できるようにする。PDF化した書類を作成する手間がいらず、提出後のデータの二次利用なども容易になる。直轄工事の仕組みとして構築する予定だが、地方自治体にも同様の仕組みを広げていくことも視野に入れる。書類の提出がデータの提出に取って代われば、発注者ごとに異なる書類の様式に対応する必要がなくなるとみられる。








