はっと思った時、気が重くなる忘れ物の一つにお弁当がある。好みのおかずを詰めていたり、初めての具材や調味料を試した卵焼きを入れていたりすると、落胆はなおさらだ。作ってくれた人の顔が浮かび、謝罪の言葉が浮かんでは消える▼手作り弁当を持って出るのを忘れた知人が、おわびにお菓子を買って帰った。人気店の品であるほど「また忘れていいよ」と言ってくれるそうで、有事の対応策として有効らしい▼衆院選が公示された。先日の党首討論では婚活に例えた政党連携が話題になった。連携の行方も無関係ではないが、知りたいのは誰と組むかより、何を成し遂げるかではないか▼埼玉県八潮市の道路陥没事故から1年がたつ。インフラの老朽化にどう向き合うのか。防災・減災や国土強靱化をどう進めるのか。日々の暮らしを支える足元の課題を逃げずに語ってほしい▼話を戻すと、政治と弁当は似ている。一番大事なのは中身。量も見た目もおろそかにできない。どれも作り手次第で、腕前と気遣いの見せどころだ。鼻につく説明や、余計な写真や動画は要らない。この国をどう支えるのか。中身が分かれば結構だ。









