2025年に着工した住宅戸数が62年ぶりの少なさになるなど、建築物全体で着工床面積が減少する状況にあって、投資総額だけが膨張を続けている。国土交通省の建築着工統計調査によると、着工床面積は4年連続で減り、工事費予定額の合計は4年連続で増えた。1平方メートル当たりの工事費予定額として算出した工事単価は、資材費や労務費の上昇を要因に直近5年で約1・5倍になった。コスト上昇圧力で実質的な工事量がしぼむ動きが止まる気配はなく、先行きが懸念される。
同調査は建築主が特定行政庁に提出する「建築工事届」を集計している。着工前に見積もられた工事費予定額も届け出対象となる。22年から25年にかけて床面積の合計は前年比で2・3%減、6・9%減、7・6%減、6・7%減と推移したが、工事費予定額の合計は1・9%増、6・8%増、2・4%増、4・2%増と逆転する現象が起きた。
工事費予定額を床面積で割って工事単価を算出すると、25年は前年比で11・7%増。直近5年の21年比で48・0%増だった。用途別・構造別に見ると、居住用・木造より非居住用・非木造の方が単価上昇の度合い強い=グラフ参照。
25年の工事単価は▽居住用=前年比7・5%増、21年比(直近5年)35・4%増▽木造=5・4%増、35・0%増▽非居住用=17・1%増、66・7%増▽非木造=15・4%増、54・9%増-となった。
大手のハウスメーカーやデベロッパーをヒアリングしている国交省住宅局の担当者によると、最近は労務費の上昇がコスト増の要因に挙がっているという。特にマンションなど大規模・非木造の建築物は、時間外労働規制の適用による工期長期化の影響が大きい。今後も労務費は上昇するとの見方も多いという。
一方、資材価格は一部品目を除いて高止まりしており、コスト増への影響は以前より小さめとみられている。
25年の住宅着工は74万0667戸で、1963年以来の少なさ。非居住用途の民間建築物の着工床面積は3308万平方メートルで、公表されている1980年以降で最低を更新した。







