国交省/中小建設会社、資金繰り支援3事業延長/連鎖倒産防止へ活用訴求

2026年2月4日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、中小建設会社などの資金繰り改善を目的とする金融支援3事業の延長を決めた。建設業の倒産が増加傾向にあるとする民間の調査結果などを踏まえ、活用ニーズが高まっていると判断した。元請と下請のそれぞれの立場で活用可能なメニューをそろえ、取引先の影響を受けた連鎖的な倒産を防ぐ。潜在的なニーズが想定されながら直近の活用実績が伸びていないメニューもあり、経営上のリスク軽減のメリットを周知し活用を働き掛ける。
 3事業の受付期限延長を1月30日付で関係機関に通知した。元請向けの「建設業安定化基金(下請セーフティネット債務保証・地域建設業経営強化融資制度)」と、事業協同組合など向けの「信用・指導基金」は2030年度末まで5年間延長。単年度で実施する下請向けの「建設業債権保全基金(下請債権保全支援事業)」も27年度末まで延長する。
 建設業安定化基金は二つの仕組みを「出来高融資制度」と総称する。公共工事の請負代金債権を担保とし、出来高に応じ融資が受けられる。建設業振興基金(振興基金)を通じ債務保証し事業協同組合が金融機関から低利で資金を調達、元請に転貸融資する。前金払いを補完し下請への支払い促進で連鎖倒産を防止する。
 新規の債務保証は22年度に904件(288億円)、23年度に1173件(355億円)、24年度に1253件(449億円)と増加傾向。約束手形の廃止や支払い期間(サイト)短縮の動きから、元請の資金繰り懸念が高まっていることも背景にありそうだ。
 下請債権保全支援事業は、民間工事を含めた幅広い債権に活用可能。下請や資材業者が元請に対し持つ債権の支払いをファクタリング会社が保証し、手形などの個別債権の買い取りも行う。振興基金を通じ保証料などの一部を助成する。
 債権保証は22年度に2063件(250億円)、23年度に1571件(199億円)、24年度に1197件(153億円)と減っている。債権回収に不安がある場合、元請に知らせることなく柔軟に活用できるメリットなどを訴求する。