九州整備局/ハイブリッドドローンを活用した被災状況調査の実証実験を実施

2026年2月6日 行政・団体 [11面]

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 九州地方整備局は5日、南海トラフ巨大地震による津波被害を想定し、長距離飛行を可能とする「ハイブリッドドローン」を使った被災状況調査の実証実験を宮崎県内で行った。使用したドローンは、電動バッテリーと内燃型エンジンを搭載したモデルで、通常型よりも長時間、長距離の飛行に強みがある。延岡市~日向市の沿岸約36キロを2時間30分程度かけて往復し、港湾施設などの映像や3D点群データの取得に成功した。
 今回の実証は補助者を配置しない無人地帯での完全目視外飛行の「レベル3・5飛行」の形式で実施。ハイブリッドドローンのレベル3・5飛行は国土交通省で全国初の試みとなった。
 実証で使用した機体は、幅約1・3メートル、高さ約60センチ、重量は12・7キロ。最長の飛行距離は100キロ程度で、巡航速度は時速30~40キロ程度。前方と横方向を撮影できるカメラを各1台搭載した仕様となっている。
 同日の実証では延岡市方財町の五ケ瀬川河口から離陸し、長浜海岸、遠見半島に沿った海上ルートを南下し、日向市日知屋の日向岬グリーンパークで折り返して離陸地点まで戻った。現地は曇天、離陸時の風速は3メートルで、気象条件による大きな支障はなかった。
 飛行中には4K対応の映像を撮影し、現地の様子を鮮明に確認することができた。実証の前日には試験飛行も行っており、約7000枚の空撮画像から3D点群データを生成した。今後、取得した映像や点群データの精度、被災調査での実用性を検証していく。
 九州整備局は昨年2月、同様のルートで長距離飛行型の「VTOL(垂直離着陸)型固定翼ドローン」による飛行実証を行っている。VTOL型は飛行速度は速いものの、強風時のバッテリー消耗度や、3D点群データの精度面で課題があった。
 福岡市内から遠隔で映像データを確認した松木厚廣災害対策マネジメント室長は「VTOL型は映像の取得、ハイブリッドドローンは点群データの取得など、それぞれの機体ごとに強み、弱みがあると思う」と話した。今後もさまざなな機体、条件で実証を繰り返し、被災状況調査でのDXのさらなる促進に努めていく考えだ。