カナデビア、日鉄エンジ/27年4月経営統合へ協議/売上高1兆円超、国内最大規模に

2026年2月9日 企業・経営 [3面]

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 カナデビアと日鉄エンジニアリングが2027年4月の経営統合に向け協議に入る。大阪市内で5日に両社の社長が会見し、統合の背景や狙い、将来像などを説明した。現時点ではカナデビアを存続会社とする吸収合併を基本とし、9月に最終契約を結ぶ方針。実現すれば売上高は直近決算の単純合算で1兆円を超え、国内プラントエンジニアリング業界で最大規模となる。
 カナデビアの桑原道社長兼最高経営責任者(CEO)は「単なる規模の拡大ではない。両社の技術と人材を結集し、世界トップクラスのエンジニアリンググループを目指す」と説明した。資源循環事業の国内ポジションと収益力を強化し、海外や成長分野への投資も加速する考えを示した。
 日鉄エンジの石倭行人社長は経営統合を打診したことを明らかにし、「産業間の人材獲得競争が激化する中、両社の力を結集することが最適だと判断した」と経緯を話した。両社長とも事業環境への認識や成長戦略の方向、志が一致している点を強調。「統合で成長速度がより高められる」と話した。
 統合後は資源循環と脱炭素、強靱化の3領域を柱に据える。国内の廃棄物発電分野では、カナデビアの小中規模を含むストーカ式焼却炉と、日鉄エンジが強みとする大規模なガス化溶融炉を武器に、「幅広い案件に対応できる体制を構築し、提案力と競争力を強化する」(桑原社長)構え。既存拠点の連携による運営最適化や災害時のレジリエンス強化も進める。
 脱炭素分野ではカナデビアのPtG(水素・メタン製造)技術や脱硝触媒と、日鉄エンジが保有する二酸化炭素(CO2)の分離・回収・貯留(CCS)技術を含む一貫したプラントエンジニアリング体制を融合。「脱炭素バリューチェーン(価値連鎖)全体への対応力を高めたい」(桑原社長)とした。洋上風力基礎はカナデビアの浮体式セミサブ、日鉄エンジの着床式ジャケットという、異なる技術を補完的に活用。案件条件に応じたメニュー拡充を図る。
 グローバル戦略の加速も統合の大きな狙いの一つで、石倭社長は「今後も成長のドライバーとなるのが海外事業」と明言。桑原社長も「優秀な人材が仲間になり、海外展開を支える大きな力になる」と期待を示した。