全建/補助金制度が地域建設業ICT導入後押し/安全確保や省力化の効果実感

2026年2月10日 行政・団体 [1面]

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 全国建設業協会(全建、今井雅則会長)が代行執行している国土交通省の「建設市場整備推進事業費補助金」制度が、地域建設会社のICT導入で大きな後押しになっている。補助金を活用してICT建設機械やドローンなどの機器を初めて購入した会社もある。ICT導入は調査・測量の省人化や施工効率の向上、危険箇所での安全性確保、雪崩ののり面復旧で効果を発揮している。利用企業からは「実際にICT機器を使ってもらい省力化効果を確認」「安全性が大幅に向上した」などの声がある。
 ICT機器の導入促進を目的に経費の半額を補助している。2025年度は各都道府県建設業協会7件、建設業協同組合7件、企業47件の計61件で、総額約2億5000万円弱の補助金を交付した。
 補助金利用企業はICT建機やドローン以外にレーザースキャナー(LS)、ウエアラブルカメラや点群データの処理ソフトなどを導入。ICT機器の使用経験がない作業員などに対し、訓練を通じICT機器の使い方や導入効果を説明した。
 新潟県妙高市の保坂組は1250万4000円の補助金を活用し、マシンコントロール型のICT建機を導入した。土砂災害で道路が被害を受けた想定で、孤立集落の住民救助訓練を実施。習得に10年程度の経験が必要とされる建機操作を入社2年目の若手オペレーターが担当。少ない人数で救助活動が実施でき、他の業務に人員配置が可能になり、生産性の向上にもつながった。
 丸山工務所(新潟県十日町市)は、2214万2000円をICT建機やドローン、LSの導入に充てた。雪崩で崩壊した斜面を想定した箇所でドローンを利用した状況確認と解析を実施。ICT建機で崩落斜面の雪崩除去も訓練した。参加者は「ICT機器導入の有効性を伝えることができた」と話す。
 鳥取県倉吉市の井中組は、補助金1952万8000円をICT建機に充て、土砂撤去作業訓練を実施した。「これまで危険な被災現場に人を派遣し、状況確認後に映像データを持ち帰って設計をしていた。図面作成までに1~2日程度必要だったが、ドローンやモニターによるリアルタイムな情報共有、点群データを活用した設計図面作成で、所要時間が1~2時間に短縮できた」という。
 国交省は制度を26年度も継続する予定。活用事例は全建のホームページ(https://www.zenken-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/84544d14993695ba04e9eec3a4d12a59.pdf)へ。