東京都は工業用地の用途転換を後押しするため、土壌汚染対策を技術と費用の面で強化する。既に実施しているボーリング調査のデータ解析を進めるとともに、地下地盤や地下水に関連する情報のオープンデータ化にも取り組む。2025年11月に公表した操業中の工場でも適用可能な土壌汚染対策技術の普及促進に力を入れる。
都は、土壌汚染対策の基礎資料となる地下地盤や地下水の情報を収集し、オープンデータ化するため、22年度から都内の東部エリアを中心に、調査ボーリングを実施。地下水の状況や汚染物質の有無、沖積層の深さなどを調べている。25年度は葛飾区など荒川より東側の地域(古東京川都内下流域左岸)で調査を実施した。
26年度はこれまでに収集した情報の分析に入る。新規事業として業務委託を発注する予定。民間企業によるボーリング調査の結果なども総合して、調査対策素案をまとめる。土壌溶出基準値の10倍以内であれば自然由来の汚染と判断。人為的な土壌汚染と分けて考える方針だ。合わせて自然由来の鉛などが含まれる凝灰質粘土の分布状況を整理し、区市町村ごとに順次公開する。
土壌汚染対策では、工業用地などの事業転換を促すため、工場跡地の地権者に対し支援、助言する制度を強化する。現在、専門家を土地利用転換アドバイザーに任命し、助言や被覆土、汚染土対策などの技術支援を実施している。ただ支援制度の利用件数が伸び悩んでいるため、操業中から対策ができるよう対象を拡大。25年11月に公表した操業中の工場でも適用可能な土壌汚染拡大防止対策で技術メニューの普及を目指す。売買成立前の早い段階から都が支援することで、円滑な用途転換を促す。
土壌汚染対策法を巡っては、中央環境審議会(環境相の諮問機関)水環境・土壌農薬部会土壌制度小委員会が法改正の方向を議論している。今冬にも答申がまとまる見込み。都は法改正に合わせて都環境確保条例の改正も検討している。法改正後に制度の課題を抽出し、改めて制度の在り方を議論する方針だ。
□操業中の工場でも適用可能な技術□
△原位置浄化(原位置分解)生物処理法=大林組△バイオメタガード工法=同△薬剤注入による汚染拡散防止壁工法=同△原位置浄化工法:BioJet工法=ケミカルグラウト△温促バイオ=竹中工務店△バイオ栄養源EDCによる塩素系VOCの原位置バイオ浄化法=エコサイクル△化学酸化剤COA-Xによる原位置化学分解法=同△バイオ栄養源HAR-CNによるシアン化合物の原位置バイオ浄化法=同△バイオ栄養源EDC-Mによる六価クロム化合物の原位置バイオ不溶化法=同△PlumeStop・S-MicroZVI・ATV1株コンソーシアを用いた地下水バリア工法=エンバイオ・エンジニアリング。







