宮城県ら/岩沼市の上下水道研究施設が完成/国交省の「革新的技術実証事業」に採択

2026年2月12日 行政・団体 [6面]

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 宮城県らが岩沼市の県南浄化センター内に整備し、国土交通省の「上下水道一体革新的技術実証事業」の対象となっている研究施設が完成した。10日に現地で記念式典を開催。国交省上下水道審議官グループの本田康秀官房参事官や東北地方整備局の林雄一郎河川部長、宮城県の千葉衛公営企業管理者らが出席し、下水処理施設の小規模化につながる研究フィールドの完成を祝った。設計・施工はメタウォーターが担当した。
 式典では、主催者を代表し千葉公営企業管理者が「施設老朽化や人口減少などに伴い、水道事業はさまざまな問題を抱えている。革新的な技術を広く普及できるよう尽力する」とあいさつ。本田参事官は「下水道を取り巻く課題解決に大きく貢献する技術だ。持続可能な事業運営に向けて本研究は重要な役割を果たす」と期待した。
 国交省は水道事業に関する効率的、効果的な新技術の開発・普及を目的に研究資金を助成する上下水道一体革新的技術実証事業を展開。宮城県、メタウォーター、日本下水道事業団(JS)の3者が提案した「好気性グラニュールによるダウンサイジング可能な下水処理技術実証研究」が25年度同事業の採択を受けた。県が場所の提供、メタウォーターが総合エンジニアリング、JSが研究計画・管理などを担う。事業期間は26年度末まで。
 県南浄化センター内の拡張予定だった処理池を改修し、ポンプや調整槽、汚泥反応層槽、貯留槽などの設備を整えた。完成した施設では、沈殿性が高い汚泥である「好気性グラニュール」を用いた下水処理を実験。従来方式では複数の設備が必要となる「流入・流出」「沈殿」「撹拌」のサイクルを一つのタンク内で行えるため、処理場の縮小化につながる。効率的に汚れを沈めることができ、タンクの容量を小さくできる。ダウンサイジングにより建設費や維持管理費の削減、省人化・省エネなどに寄与する。
 今後、フィールドで処理工程を実証し、実装に向けた効果が得られた場合、28年度までにメタウォーターがガイドラインを作成。JSが「下水処理場再構築事業」の中で導入を提案するなど、普及拡大を図る。