日刊建設工業新聞社が主要ゼネコン35社を対象に実施した人材採用アンケートによると、今春入社予定の大卒や高卒などを合わせた新卒採用者数は、前年度に比べ445人多い5179人となり、4年連続で増加した。技術系は433人増の4394人。採用目標の達成度を示す充足率が100%を上回ったのは17社にとどまった。企業間や産業間で人材獲得競争が過熱する中、各社は優秀な人材の確保に向け、採用力の強化を急いでいる。
アンケートは2月に実施した。旺盛な建設需要を背景に、25社で採用人数が前年を上回った。一方、18社が採用目標に届かなかった。多くの社が、施工管理の技術系やAI・デジタルといった専門人材の採用競争が激化している現状を指摘した。
処遇改善で働きがいを高め、採用競争力を高める戦略はさらに加速しそうだ。初任給は12社が今春に「引き上げた」と回答した。既に大卒総合職で30万円を上回る社も多く、26年度も五洋建設、熊谷組、鴻池組、鉄建建設、東鉄工業、大豊建設、大本組(現場手当3万円含む)が大台に乗せる。前田建設とナカノフドー建設も検討している。
2027年春以降を見据えた今後の採用方針は13社が「増やす」と回答した。各社は「技術者不足が予想される」(大成建設)、「総人員計画による」(竹中工務店)、「現状や将来の事業量に対して一定数の人材を確保する」(東亜建設工業)、「職種を問わず人材の流出が発生している」(三井住友建設)などを理由に挙げた。
「横ばい」と答えた企業は、「施工力や競争力を維持・強化するため、景気などに左右されず継続して一定人数を確保する」(鹿島)、「足元の繁忙状況や将来の要員構成を勘案し、採用計画を策定していく予定」(大林組)などとした。
採用活動では、各社とも学生の目に触れやすいユーチューブやインスタグラムなどSNSを活用した情報発信に注力する。清水建設は、成長分野をけん引する人材として、文理不問で多様な経験に着目した「SV採用」と呼ぶ独自の採用枠を設ける。安藤ハザマや青木あすなろ建設は文系出身者の技術職登用を進める。フジタはスカウト代行を活用する。
中途採用では、引き続きリファラル採用(社員紹介)やアルムナイ採用(退職社員の再雇用)を取り入れる社が目立つ。人員構成の“谷間”を埋める狙いもあり、各社は就職氷河期世代を即戦力として再評価する動きを強めている。






