九州地方整備局本明川ダム工事事務所は3日、長崎県諫早市で施工中の同ダム工事の現場を報道関係者に初公開した。左岸側では基礎掘削や基礎処理工が行われ、右岸側を流れる河道の転流に向けた水路の構築作業も着々と進行中。低騒音で排ガスを出さない重機も積極採用するなど環境配慮の取り組みも実施。ダム事業の全容を広く発信するため、同事務所では定期的な一般向けの見学会も検討している。
ダムの1期工事は大成建設・熊谷組・西海建設JVが担当。見学会の冒頭、森康成本明川ダム工事事務所長は「工事の過程で土木建設業の魅力を伝え、ダムを通じて地域の活性化にもつなげていくのが重要と考えている」と述べた。
同ダムは九州整備局管内初の台形CSGダム。諸元は堤高約60メートル、堤頂長約340メートル、減勢工を含む堤体積約62万立方メートル、総貯水容量620万トン。同日時点の進捗率は約10%(1期工事の契約ベース)。
左岸側では2025年10月にのり面の工事が完了。現在は幅、高さともに4・1メートル、延長約360メートルの転流用水路の構築と、ダム直下への水の浸透を防ぐ基礎処理工を進めている。基礎処理工では12台のボーリング用機械を稼働させ、セメントミルクを地盤に注入する作業が続けられており、6~7月ごろの完了を見込む。
右岸側でものり面の工事に着手しており、27年1~3月をめどに左岸側への転流が完了した後、基礎掘削や地盤改良を進め、本体打設に入る。30年度までに本体工事を終え、31年度に試験湛水を開始し、32年度のダム完成を目指す。
同日は現場で展開されている環境配慮に関する工夫も紹介された。排ガスを出さず、作業音も静かな電動バックホウを導入。一部の重機には従来のディーゼル燃料に代えて、廃食用油などから精製したバイオ燃料「HVO100」を採用し、二酸化炭素(CO2)排出量の100%削減に取り組んでいる。
今後も年に1回のペースで報道関係者に現場を公開する予定。森所長は諫早市をはじめ、周辺自治体の住民を招いた「一般向けの見学会をインフラツーリズムの取り組みとして展開したい」と話した。






