CCUSデータ共同利用でサービス開発/複数の民間システム提供へ

2026年5月14日 行政・団体 [1面]

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 現場管理に用いる民間システムで、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録データの「共同利用」による新たなサービス開発の事例が出てきた。共同利用が可能なデータの範囲や運用方法が決まって以降の1年で、五つのシステムでサービス実装への機能改修が進展する。元請が運用するシステムに下請の技能者情報などを入力する際にCCUSのデータを反映させるなど、各システムで現場業務を効率化するサービスの提供を近く予定する。
 CCUSとAPI連携する19システムで共同利用を順次進める。従来も各システムから入退場管理データをCCUSに送って就業履歴として扱ってきたが、CCUS側からのデータ提供は技能者IDに限定されていた。昨年3月には「技能者基本情報」と「事業者情報」の一部をシステム側の要望で利用可能にし、データ連携の幅が広がった。実際の運用にはCCUS運営主体の建設業振興基金(振興基金)と利用契約を締結した上で、システム側の機能改修が必要になる。
 これに基づくサービスの初弾としてエムシーディースリー(MCD3)の「グリーンサイト」でCCUSの技能レベル情報の共同利用が6月上旬に始まる。元請の立場で正確なレベルを即座に把握し、現場の人員配置やレベルに応じた手当支給に役立てる。他のシステム事業者でも、多様なサービスの開発が進む。システム側の技能者の新規登録にCCUSのデータを利用し、手入力での作業を削減する機能の導入を予定するシステムがある。
 CCUSのデータを利用するメリットの一つが「真正性」の確保だ。CCUSには技能者の資格情報や社会保険加入状況、建設業退職金共済(建退共)被共済者番号などが正確に登録されている。現場で書類を突き合わせて確認するなどの作業が不要になり、業務負担の軽減とともに適正な現場管理につながる。
 技能者の処遇改善や現場業務の効率化といったCCUSの目的に沿っていれば、データの利用方法やサービス内容の制限はない。ユーザーとなる建設会社のニーズを踏まえた各システムのサービス開発の加速が期待される。下請の立場で見れば、現場ごとに運用するシステムが異なる場合の手間を省くため、あらゆるシステムでCCUSのデータをシームレスに反映できる環境が理想と言える。システム側の既存データと食い違う際の扱い方など技術的な課題の解消も必要だ。