東京都/環状七号線地下河川構想/計画具体化へ検討委始動

2026年3月5日 行政・団体 [4面]

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 東京都が4日に「環七地下河川計画検討委員会」の初会合を都庁で開いた=写真。神田川・環状七号線地下調節池(中野区、杉並区)を延伸し、複数の地下箱式調節池と連結。東京湾まで達する巨大地下河川を構築する。環七地下河川構想は、2023年12月に有識者委員会が提言した「気候変動を踏まえた河川施設のあり方」で、中小河川の洪水対策の柱に位置付けていた。
 同検討委は構想実現の第一歩となる。委員長に中央大学研究開発機構の山田正機構教授が就任した。冒頭、都の斉藤有河川部長は「環状七号線地下河川は、東京の強靱化に向けて、水害から都民の命と暮らしを守るために必要な施設だ。小池(百合子)知事は地下河川整備を江戸時代の利根川東遷に匹敵する大事業と考えている」と強調し、専門家による多面的な議論に期待した。
 山田委員長は「現在の気候変動を踏まえれば水害のリスクは非常に大きい。わが国の中小河川整備はおぼつかないレベルだ。少しでも安全、安心なまちづくりに寄与するような政策を講じなくてはいけない時期に来てる」と話した。
 地下河川で複数の地下箱式調節池を連結する。東京西部の中小河川に降った雨を大量に1次貯留するとともに、東京湾に放流して氾濫を防ぐ。既存の神田川・環状七号線地下調節池の南側終端部(杉並区和泉)付近から延長15キロの地下トンネルを構築する想定だ。
 地下トンネルにすることで、同程度の貯留量を持つ地下箱式調節池を個別に設けるより用地取得面積を90%、事業費は27%、工期を38%縮減できるとした。シミュレーションでは、狩野川台風など過去の降雨事例と同等の豪雨が降った場合でも、浸水面積や経済被害を大幅に減らす効果が確認された。提言では「効率的かつ効果的な整備手法の一つ」と高く評価していた。今後、同検討委の会合で整備手法や基本構造など具体化の議論を深める。