鴻池組は、建設業で深刻化する熱中症問題に対応するため、「包括的酷暑対策ロードマップ」を策定した。社内で展開する「建設現場を一番幸せな職場にする」活動の一環。酷暑期を前提に働き方や現場環境を抜本的に見直す中長期的な施策を盛り込み、安全確保と処遇改善の両立を目指す。夏季の連続休暇や週休3日制の導入などが柱。ロードマップの策定は業界初という。
自社施工現場をモデルケースに業界全体への波及を促す。発注者との協議を通じて工期や契約条件への反映も視野に入れる。ロードマップは、国土交通省や厚生労働省との意見交換なども踏まえ策定した。1年単位の変形労働時間制を活用した夏季連続休暇や週休3日制の導入、サマータイムの設定などを予定。酷暑期の作業負荷を軽減するため、年間を通じた労働時間の配分を見直す制度改革に踏み込む。
現場対策では水分補給や休憩を徹底するウオータータイムを設け、暑さ指数(WBGT)が一定値(33度超で検討)を超えた場合、作業を中止する方針を明確化。休憩スペースの充実や冷却機器の導入など現場環境の整備も進める。
2026年度にモデル現場で変形労働時間制を中心に試験導入し、27年度以降は対象現場や施策を拡大する方針だ。今後はロードマップに基づき、協力会社や関係機関との連携を強化する。現場では科学的データの蓄積や効果検証を進めるとともに、DXやICTを活用した熱中症対策の高度化を目指す。
背景には建設業で熱中症による死傷災害が高水準で推移している実態がある。気候変動に伴う猛暑日の増加で作業効率が大幅に低下するなど、生産性への影響も懸念されている。同社は労働環境の改善を通じて人材確保や定着率の向上にもつなげていく考えだ。






