鹿島ら/山岳トンネル、AGF鋼管打設を切羽作業範囲で無人化/労災の低減確認

2026年3月10日 技術・商品 [3面]

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 鹿島らが山岳トンネル工事を補助するAGF工法(注入式長尺鋼管先受け工法)のAGF鋼管打設作業で、肌落ちリスクが高い切羽作業範囲内で無人化施工を実現した。鋼管供給システムを開発し鋼管接続装置も改良。実現場に試験導入した結果、人手による作業が不要で労働災害が低減できることを確認した。今後は鋼管打設後のロッド回収も含め切羽作業範囲への技能者の立ち入りゼロを目指し、AGF工法のさらなる機械化・省人化を進める。
 鹿島は古河ロックドリル(東京都千代田区、山口正己社長)、ケー・エフ・シー、トーキンオール(川崎市川崎区、吉田基一社長)と共同で、ソケット型AGF鋼管打設作業の機械化システムを2023年11月に開発。今回「AGF鋼管供給システムの開発」と「鋼管接続装置の改良」を行い、機械化システムに加えた。
 従来の機械化システムで一体化していた鋼管のラック部とアーム部を分離。ラック部をドリルジャンボの後方に、アーム部を前方に配置し、その間をローラーコンベヤーでつないだAGF鋼管供給システムを開発した。
 これにより、AGF鋼管を切羽作業範囲に立ち入ることなく自動供給できる。ラック部からの鋼管取り出しやローラーコンベヤーでの送り出しは、ドリルジャンボ後方の安全な場所で遠隔操作する。
 鋼管接続装置(セッターII型)は、23年11月に開発した「連結機構付きガイドシェル」に既打設管を把持する機構を追加。既打設管と新設管の両方を把持できるため、強制的に打設軸を合わせ、鋼管を押し込み連結させる。
 新システムを「みなとみらい21線車両留置場建設工事(土木工事)」(横浜高速鉄道発注)に試験導入した。機械化前の従来工法と同等の準備時間でロッドの回収作業を除き、AGF鋼管打設作業時の切羽作業範囲内の無人化を実現。AGF鋼管準備から打設までの技能者の切羽作業範囲への立ち入り時間を、従来工法と比べ約90%削減できた。さらに人手による鋼管接続作業が不要なため、安全性と生産性のさらなる向上に寄与することを確認した。
 鹿島はAGF鋼管打設作業の機械化システムを、同社が開発している山岳トンネル工事の自動化施工システム「A4CSEL for Tunnel」(クワッドアクセル・フォー・トンネル)と連携。山岳トンネル工事の自動化施工技術の開発を加速させる。