国立劇場再整備/民間収益施設、早期完成の加点評価に関心/事業者から質問

2026年3月10日 行政・団体 [2面]

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 PFIの適用を計画している国立劇場(東京都千代田区)の再整備事業で、関心を持っている事業者から日本芸術文化振興会にさまざまな質問が寄せられている。2度の入札不調を受けて、提案するかどうかの判断を事業者に委ねた民間収益施設について、加点評価や不可抗力の定義などで不明確な点がある。「早期に完成させる提案を加点評価する」ことに対して、「ダンピングを伴う提案を助長」という指摘もあった。
 振興会は、2025年12月11日に公表した「国立劇場再整備等事業の実施に関する方針」などに関する質問を受け付け、回答をまとめた。それによると、民間収益施設が事業者選定で加点評価になるかについて、質問が複数あった。「加点評価の有無、配点、加点の計算式の内容次第では、入札に参画できなくなるおそれもある」という指摘や、「提案しなかった事業者の不利とならないような配点上限」の設定を求める意見があった。
 法定点検や共通仕様書に基づく点検を行っていた中で、具体例に該当する事象が発生した場合には不可抗力となり、「減額や違約金が発生しないか」と確認する質問もあった。回答では、「民間収益施設の加点の扱いや不可抗力の定義」を入札公告時や事業者選定基準で明らかにするとした。
 早期完成の提案に対する加点評価は、改正建設業法などが工期のダンピングを注文者、受注者双方に禁じていることで、竣工時期による加点評価の差や工期の短さの加点評価がダンピングを伴う提案の助長になるという意見が複数あった。質問者は配慮したり、施工上の工夫を審査対象にしたりするよう求めており、振興会は入札公告時の事業者選定基準に示すと回答した。回答では、入札書提出日から竣工までの物価上昇分について、概算事業費とは別に予算措置がなされる見解なども示している。
 振興会は意見を踏まえ、入札公告に向けた準備を急ぐ見通し。公表している入札手続きのスケジュールは、入札公告が3月ころ、入札書・技術提案書の提出は27年6月ころ、事業契約締結が同12月ころとなっている。