農水省、清水建設/建築物木材利用促進協定を締結/中高層建築推進、技術開発深化

2026年3月16日 企業・経営 [3面]

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 農林水産省と清水建設は13日、都市木造化推進法に基づく「建築物木材利用促進協定」を締結した。同社は毎年2~3件の中高層木質建築の施工実績を積み上げ、耐火性と耐震性に優れた自社開発の木質建築技術を深化する方針を表明した。新村達也社長は「協定締結は官民連携で脱炭素社会への歩みを確かなものにする大変意義深い節目になる」と述べ、森林循環に貢献する木質建築の展開加速に意欲を示した。
 同日、東京・霞が関の農水省で協定の締結式が開かれ、山下雄平副大臣と新村社長が協定書に署名した。山下副大臣は「これまでに中高層ビルの木造化に大変貢献されてきた」と清水建設の実績を評価。その上で「協定締結を契機に、清水建設と共に都市の木造化をさらに加速したい」と話した。
 新村社長は「当社は建設事業の使命として、森林循環に貢献する木質建築を推進していく」と表明。さらに「協定締結を新たな出発点とし、顧客とのパートナーシップをより深め、全社の総力を結集して取り組んでいきたい」と力を込めた。
 協定の期間は2031年1月末まで。清水建設は農水省から技術的助言や補助事業の情報提供などを受け、ハードとソフトの両面で木質建築の拡大に向けたさまざまな取り組みを展開する。
 清水建設はこれまで、自社の設計・施工で約30件、他社設計の施工物件も含めると約60件の中大規模木質建築を手掛けてきた。協定締結を機に、都市部で大空間を備えた中高層から低層まで、幅広い用途の木造建築で事業拡大にアクセルを踏む。国産材の活用や木質建築のPRにも力を入れる。
 東京都江東区の自社施設も活用する。イノベーション・人財育成拠点「温故創新の森NOVARE(ノヴァーレ)」の旧渋沢邸や、先月建て替え工事が竣工した東京木工場などで、木の文化や木造技術の継承を目的に、住民や子ども向けの活動も展開する考えだ。
 担当者によると、今後は都市部を中心に毎年2~3件程度の中高層木造建築を手掛けていく方針。技術開発では木質建築技術「シミズ ハイウッド」をブラッシュアップし、「鉄骨を木で被覆したり、内装に塗膜をつくって燃えにくくしたりする技術開発を推進する」(設計本部設計企画室木質建築推進部)としている。