民間工事価格転嫁にメスを/日建連や建専連、早期対応訴え/国の関与も必要か

2026年3月24日 行政・団体 [1面]

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 金子恭之国土交通相と建設業の主要4団体トップが19日に行った意見交換会で、民間発注者を含めた建設工事のサプライチェーン(供給網)全体での価格転嫁に議論が集中した。昨年12月に全面施行した改正建設業法に基づき、適正な労務費・賃金が確実に行き渡る環境を早期に実現する必要性を訴える声が強まっている。「仕事量が減った時にどう耐えるか。その時に価格や工期のダンピングに陥ると、元のもくあみになってしまう」(宮本洋一日本建設業連合会〈日建連〉会長)との危機感がある。=2面に関連記事
 会合には日建連と全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)が参加。技能者の賃上げや生産性向上の取り組みで意見交換した。
 日建連の宮本会長は「さまざまな発注者の皆さまにも同じ認識でコミュニケーションを促進し、相互理解を含めてウィンウィンの関係を構築できるよう指導をお願いしたい」と国に訴えた。労務費の行き渡りや請負代金・工期の変更協議に関する改正業法の新しいルールの定着に向け、サプライチェーンの出発点となる発注者の理解を最も重要視する。「不動産協会から意見交換の場を持ちたいと申し入れを受けており、現在その方向で調整している」とも話した。
 建専連の岩田正吾会長は「専門工事業では全国的に工事量が激減している」と実情を明かした。改正業法に基づく「労務費に関する基準(標準労務費)」の現場への浸透は道半ばで、元請などの工事発注責任者や現場所長の認識にも温度差があると指摘。元請と下請の両方でダンピングを助長する空気感が膨らむことを強く懸念した。宮本会長も、多くが中小企業となる下請業者の価格転嫁を巡る課題に「日建連としても、また全建とも協力しながら、どうやっていくか考えていきたい」と応えた。
 金子国交相は「(業法などの)担い手3法を通じ『ダンピングはダメだ』『企業が維持、再生産できるようなことをやらなければいけない』とわれわれも思っている」との基本姿勢を示した上で、民間工事の課題にも言及。「デベロッパーとの関係など、民間の契約に国がどう関わっていくか」と話し、何らかの形で関与していく必要性をにじませた。
 今国会での予算審議中、民間工事の価格転嫁や工期設定で受注者や下請が不利になりやすい現状の是正に向けた法制度上の対応を、複数の議員から求められたことにも触れた。