東京都/三宅島で地熱発電検討/26年度に初の可能性調査

2026年3月24日 行政・団体 [4面]

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 東京都が2026年度に地熱発電のポテンシャル調査を三宅島で実施する。伊豆諸島でのエネルギー地産地消や災害時の電力網強靱化、排出二酸化炭素(CO2)削減などを目的に実現可能性を探る。初弾調査は三宅島全体を対象とし、有望なエリアを絞り込む。可能性があると確認できれば、27年度以降に詳細な調査や試掘でデータを収集する方針だ。条件が整えば地熱発電を行う民間事業者を公募する。
 地熱発電は、火山島での有望なエネルギー源として期待される一方、採算性などの課題から導入は進んでいない。25年10月の台風では伊豆島しょ部で、電力などのインフラに大きな被害を受け、改めて島しょ部のインフラ強靱化の必要性が浮き彫りとなった。都は環境に優しく、強靱化にもつながる地熱発電の導入に向け、26年度から本格的な調査を行うことにした。
 文献や過去の掘削データなどを調べる机上調査と現地調査の両方を実施する。机上調査では過去の温泉掘削に伴う地質調査の情報などを収集、整理。実地調査は地表の電磁探査により断裂構造、地熱貯留構造を把握する。電磁探査は地磁気地電流法(MT法)を採用する。調査を通じて、5キロ四方程度の有望なエリアを絞り込む。地下構造を3次元解析し、地熱資源開発に不可欠な地下のキャップロック構造の深度や広がりを把握。報告書としてまとめる。
 地熱発電は、火山由来の地熱に加え十分な地下水やガスや地下水が浸透しにくいキャップロック構造が欠かせない。これらの課題をクリアしても、硫化水素による配管類の劣化や、資機材の輸送に海上輸送が必要という離島ならではの条件が重なり、採算面で厳しい状況となる。過去に八丈島で東京電力が導入した地熱発電は採算面の課題から、事業化から約20年で撤退を余儀なくされた。そこで都は24年度に「島しょ地域における再エネ導入促進事業」(通称・島FIT)を創設。採算面で都が後押しすることで民間事業者の参入を促す姿勢を打ち出した。
 都は、伊豆諸島周辺海域で浮体式洋上風力発電も計画しており、島しょ部のエネルギー資源として、洋上風力と地熱の二つを柱に位置付ける。26年度の「地熱ポテンシャル基礎調査委託」業務は三井金属資源開発が担当する。