日合協/需要者に適正価格での取引要請/原油価格急騰、企業努力で吸収困難

2026年3月25日 行政・団体 [1面]

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 緊迫する中東情勢を背景に原油価格が急騰した影響で、アスファルト合材の製造コストが上昇している。日本アスファルト合材協会(日合協、今泉保彦会長)は、施工者など合材を購入する需要者に対し、適正価格で取引するよう、23日に働き掛けを始めた。主原材料のストレートアスファルト(ストアス)や、製造工程で不可欠なA重油の価格上昇を企業努力だけで吸収するのは困難。日合協は「価格転嫁の遅れが供給体制の維持に影響しかねない」と危機感を募らせている。=3面に関連記事
 製造コストの増加は、原油価格に連動するストアスの仕入れ価格と、製造工程で大量に使用するA重油の高騰が主因だ。経済調査会によると、東京地区のストアス価格は3月調査で1トン当たり9万7000円(前月比4000円増)。米国産標準油種WTIは24日午前9時時点で、中東紛争前から33%超上昇している。
 合材は加熱・乾燥工程を伴うため、燃料依存度が高い。輸送費の上昇でサプライチェーン(供給網)全体のコスト増も懸念される。価格転嫁の遅れが続けば、工場の稼働維持や将来の供給力に影響する可能性がある。合材業界は共同販売体制を持たず、舗装会社や各工場が個々の経営判断で需要者と個別交渉し価格が決まる。コスト上昇が反映されにくいケースもある。
 日合協は、会員が単価交渉を円滑に行えるよう、「アスファルト合材の安定供給維持に向けた適正価格取引のお願い」と題した通達をまとめた。中小受託取引適正化法(取適法)や政府の価格転嫁政策を踏まえ、需要者に対し価格交渉協議に応じるよう明記。原材料費やエネルギーコストの上昇分を適切に反映した価格形成への協力、公共事業の価格スライド条項の円滑な適用も求めている。
 中東紛争を受け、資源エネルギー庁は石油の安定供給を精製事業者に要請している。政府は24日、石油備蓄法に基づき、当面1カ月分の国家備蓄原油の放出を決定した。計11カ所の備蓄基地(国管理5カ所、民間借り上げ6カ所)で26日から約850万キロリットルを順次供給する。道路舗装会社も対応に追われており、前田道路は4月1日出荷分から合材価格を引き上げる。「現在の価格体系を維持しつつ、道路インフラを支える製品の安定供給と品質を維持することが極めて困難な状況」としている。