国交省/下水道インフラ/担い手、市民に見える化

2026年3月25日 行政・団体 [2面]

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 国土交通省は昨年1月に発生した埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、建設会社などの担い手、市民それぞれにインフラの実態を示す「二つの見える化」を推進する。見える化の方向を24日に提示した。管理者や担い手が施設の状態を正確に把握できるよう、点検や診断などの記録様式や標準仕様書を見直し、全国での統一化を図る。竣工時の断面図や施工方法、技術的工夫なども確実に保存する。
 国交省は同日、「下水道管路マネジメントのための技術基準等検討会」(委員長・森田弘昭日本大学生産工学部教授)の第6回会合を都内で開いた。提出資料によると、診断は全体の状態を総合的に判断する「健全度」の区分や写真だけでなく、管理者としての見解や考察も記録。次回以降の点検・診断時に生かせるようにする。明確な診断や点検が困難な場合でも見解や考察を記録。異常箇所の位置、異常に対する所見、劣化進行の可能性や安全性・機能への影響の見立てなどを想定する。
 施設情報として、竣工時の技術的工夫も保存。例えば「軟弱地盤でシールドマシンが計画通りに進まなかった」などの情報を記録する。国交省はデータを収集・蓄積し、AIによる画像認識・診断技術などの技術開発につなげる。
 市民への見える化に向けては、各自治体で施設配置・点検実施時期・診断の結果などの情報のマップ化やインターネットでの公表を促進する。施設の改築費用を含む収支見通しの公表も促す。国交省は公表の枠組みなどの明確化を進める。
 冒頭、森田委員長は「埼玉県八潮市の道路陥没事故から1年が経過し、教訓が明らかになってきた。議論をさらに深めより良い提案をしていきたい」と話した。=写真。同検討会は秋頃に最終整理を取りまとめる。