◇地域連合で「両取り」実現/技術者一元管理で成長
UNICONホールディングス(HD、仙台市宮城野区)が2025年9月、東証スタンダード市場に新規上場した。東北に拠点を置く四つの建設会社を傘下に収めた「地域連合型ゼネコン」の持ち株会社だ。物価高騰や人材難など建設業を取り巻く環境は厳しい。難局に対処し持続的な成長を目指すため、同社は「企業集団制度」を活用した機動力の高い技術者配置で高い収益性を実現している。「東北のキーパーソン」の2回目は、UNICONHDの小山剛社長に今後の経営戦略などを聞く。
--体制発足から3年半が経過した。手応えを。
「山形、福島両県を地盤とする地域ゼネコン4社(山和建設、小野中村、南会西部建設コーポレーション、南総建)がHD傘下の事業会社として、東日本エリアの公共土木を主軸に展開している。一般に、特定地域のニッチ領域は競合相手が少なく高収益性を維持しやすい。ただ、事業規模を追うと過当競争に陥り、収益性が低下する傾向にある。『地域連合』を組むことで、地場企業としての利点を維持しつつ、グループ一丸となることでスケールメリットを享受する『両取り』が可能になる」
「最大の強みは、国土交通省の企業集団制度に基づく技術者の一元管理だ。グループ内で柔軟に人員を融通し合い、稼働に余裕のある技術者を応援部隊として投入することで、工期短縮や受注機会の最大化、施工品質の向上につなげている」
--足元の成果事例を。
「中核の山和建設(山形県小国町)は、従来、年100件程度だった入札参加数が200件を超える水準となっている。HDで技術者の裏付けがあるからこそ、迅速な判断が可能となり、受注機会を逃さず挑戦できている。東北自動車道・国見SAを全面改築した工事の実績が、東日本高速道路関東支社の狭山PA拡張・改修工事を受注する成果につながり、首都圏近郊に事業エリアを広げる結果に結びついた。個社では対応が困難だった大規模案件の施工経験は、技術者のレベルアップに直結する。実績を重ねノウハウも蓄積して参入領域を拡大していく」
--働き手の意識変化や働き方改革の成果は。
「グループ各社で道路、河川、港湾など得意分野が異なる。若手技術者から『幅広い工種を経験したい』という前向きな声が増えている。キャリアの幅が広がることで、『オールラウンドな技術者』を目指す意識の高まりを感じている。組織的な応援があることで、特定の現場への過度な負荷集中を回避できている。夜間工事など人海戦術が必要な局面でも、1人当たりの労働時間を適切に抑制できている」
--地域建設会社は自然災害への即応力も必要だ。
「『地域の守り手として存在し続けること』が連合結成の原点だ。22年8月の新潟・下越地方豪雨では複数の拠点から人員と重機を即座に投入し、早期の道路啓開と復旧を実現した。被災地で物資が不足した場合も、太平洋側のグループ企業が調達と輸送を担うなど、広域連携が大きな効果を発揮した」
--新規上場を経て今後の戦略は。
「上場審査は課題も多かったが、なんとかオンスケジュールでこぎ出すことができた。ガバナンスや労務管理の体制、制度を整えたことで、ブランディングや採用活動での優位性も高まった。私自身、社員と一緒に会社をつくり上げている実感がある。社員も楽しんでくれていると思う」
「昨年12月には経営企画部を新設し、M&A(企業買収・合併)の専門人材も配置した。今後は空白地帯を埋める『エリア拡大型』の企業と、既存顧客への対応力を高める『深掘り型』の企業を軸に、仲間を増やしていく。より柔軟で強靱な企業集団として地域社会への貢献度を高め、次のステージを目指す」。
【会社概要】
50年以上の歴史を有する南東北のゼネコン3社が経営統合し、22年7月に誕生。その後、23年1月に1社が加わり現在のグループ体制となる。官公庁案件を中心に、主に公共土木工事を手掛ける。堤防や河川を得意とする小野中村(福島県相馬市)、ヘリコプターでの空輸や運航ルールを熟知した南総建(同南会津町)など、各社とも個性が異なり、グループシナジーを生かした事業を展開している。社名のUNICONは「UNITED CONSTRUCTORS of JAPAN」から。







