4月からの建設業界/改正貨物自動車運送事業法/自家用ダンプのQ&Aで理解促進

2026年4月1日 行政・団体 [2面]

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 2026年度となる1日、新しい法令や制度、政策によって建設関係のさまざまな措置が講じられる。国土交通省直轄工事は、労務費や必要経費の記載がない工事費内訳書が入札で無効になる。同省所管の法律は改正マンション関係法が施行になり、再生、管理などの取り組みが促される。改正貨物自動車運送事業法による荷主の規制強化に伴い、白ナンバートラック(白トラ)による工事関係の輸送が注目され、国交省は自家用ダンプの扱いに関する「Q&A」をまとめた。
 国交省直轄工事は同日以降に入札公告を行う工事から、工事費内訳書で労務費などを記載がない場合に入札を無効とする運用が始まる。昨年12月施行の改正公共工事入札契約適正化法(入契法)に基づき入札参加者に対し、▽材料費▽労務費▽法定福利費▽安全衛生経費▽建設業退職金共済(建退共)掛け金-の5項目を明記した入札金額内訳書の提出を義務化したことを踏まえた措置となる。
 法定福利費を除く記載項目は当面、金額を算出できなければ「算出不能」「計上不可」などの記載を認める。市場単価方式や標準単価方式の活用などで算出が困難なケースで適用する。計上可能な分は「一部のみ計上」と断り書きを入れて記載してもらう。様式間違いなどで項目の欄がなかったり、未記入だったりした場合は原則として入札を無効とする。
 建築確認申請・審査にBIMを活用する「BIM図面審査」制度を1日に開始する。ほぼすべての建築物に共通した手続きとなる建築確認をてこにBIM普及を後押しする。作成ルールとなる「入出力基準」を含むガイドラインを用意。同じBIMモデルから切り出した平面図や立面・断面図を審査対象とし、図面間の整合性確認の一部を省略可能にして審査を効率化する。申請・審査環境を標準化する「確認申請用CDE(共通データ環境)」の活用も促す。
 開始当初は少なくとも、民間の指定確認検査機関が▽日本建築センター▽日本建築総合試験所▽日本ERI▽ビューローベリタスジャパン▽日本建築検査協会▽グッド・アイズ建築検査機構▽J建築検査センターの7機関、特定行政庁が北海道千歳市と宮城県塩釜市の2団体が対応する。
 改正マンション関係法は、法務省所管の区分所有法や国交省のマンション建替円滑化法などを一括改正したもの。建物を円滑に管理、再生できるよう、施行に備えて標準管理規約の改正や再生のためのマニュアル整備も行われた。3月31日の閣議後会見で金子恭之国交相は「円滑な合意形成、適正管理、長寿命化を実現してほしい」と述べた。
 改正貨物自動車運送事業法は規制強化が近づくにつれ、「白トラで建設工事資機材を運べなくなるのでは」との懸念も広がり、混乱する場面も見られた。国交省は3月に説明会を実施。「白ナンバーダンプで残土運搬は違反か」「下請のダンプは使用可能か」といった事業者の質問に回答した。自家用ダンプカーに対応したQ&Aも作成し、違反、許可、緑・白ナンバーの扱いを解説している。
 ある建設業団体の幹部は「実際に運用されてからさまざまなケースが出てきて、これまでと何が違うかを整理し線引きを明確にする必要がある。違法の判断に困る事業者も出てくるだろう」と話す。個人を含めた事業者ごとに契約や労働形態がさまざまで、今後も丁寧な説明が求められそうだ。
 4月からは、改正労働安全衛生法に基づき、個人事業者の安全衛生対策も強化する措置や、高齢者の労働災害防止などの取り組みも進むことになる。