国交省/AIを現場判断の基盤に/実装へ方針骨子、官民でデータ蓄積・連携

2026年4月14日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省はインフラ分野のAI実装に向け、産学官で連携したオープンイノベーションやフィジカルAIの開発・実証を省内全体で推進する方針を打ち出す。インフラマネジメントに必要なデータをAIが学習可能な形式で収集・蓄積。AIを活用し現場判断に役立つ暗黙知を含めた技術や知見の保存・継承を目指していく。AIを「人の判断と行動を支える基盤」と位置付け、徹底的に活用する。
 AI実装の取り組み方針の骨子を明らかにした。今夏に予定する政府の「AI基本計画」の改定も踏まえ、2026年度上期に国交省としての方針を策定する。▽インフラ管理者の生成AI徹底活用▽産学官協働のAIデータ連携の推進▽インフラ分野でのフィジカルAIなどの導入-の三つの柱に沿って、個別施策に展開する考えだ。
 まずはインフラの管理者・発注者となる国交省職員がAI技術を率先して活用し、質の高いインフラ整備や公共サービスに生かすことを目指す。地方整備局や出先事務所ではAIチャット機能などの利用事例が増えている。
 5月以降はデジタル庁が構築する政府職員向けの生成AI利用環境「源内」を行政実務で運用する。受発注者間での生成AI活用も促進する。AIの活用が特定の範囲に偏らないよう配慮し、多様な主体にメリットを波及させる。
 防災やインフラなど現場関係のデータ整備・活用を推進し、AIを介したビジネスモデル創出などにつなげる。直近は「国土交通データプラットフォーム(DPF)」にAIでデータを検索・分析できる機能を実装した。データ連携のメリットを拡大し、AI学習用データの蓄積などで民間との連携を強化する。インフラマネジメントや国土強靱化に貢献するAI活用事例を民間から募集する事業も26年度に予定する。
 フィジカルAIは現場ニーズに対応する技術の導入に向け開発促進と現場実証に取り組む。作業・現場データの形式や運用ルールを標準化するなど、業務プロセスの変革も視野に入れる。建設・設備機械の高度な自律稼働も目指していく方針だ。