回転窓/解体ではない道

2026年4月17日 論説・コラム [1面]

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 著名な建築家が設計した有名な建築物でも、老朽化や耐震不足などを理由に解体される。日本を代表する建築家・丹下健三氏(1913~2005年)が設計し、その外観から「船の体育館」と呼ばれ親しまれた「旧香川県立体育館」の解体工事が10日に始まった▼64年に完成した船の体育館は丹下氏が手掛けた戦後モダニズム建築の秀作だ。県内にはほかにも丹下氏設計の「県庁舎東館」があり、こちらは耐震改修し、22年に国の重要文化財に指定された▼日本建築学会が15日に26年の学会賞を発表した。作品賞3作品のうち、周防貴之氏による「屋島山上プロジェクト」、高橋一平氏による「霞ケ浦どうぶつとみんなのいえ」はリノベーションや改修を行った作品だ▼選考委員会で作品部会長を務めた赤松佳珠子氏はリノベーション作品の応募が多く、「新しいものができにくくなっている社会情勢を踏まえ、建築単体で評価するのが無理になってきている」と指摘。時代の転換点にあると説く▼既存建築に新たな価値を付け加える知見や技術が集まり、実作も増えている。持続可能な社会の実現へ解体ではない道も開けてきた。

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