地方自治体の公共施設やインフラの適正な管理を支援するための財政措置を巡る地方財政審議会(総務相の諮問機関)の検討が活発になっている。集約化・複合化、長寿命化などの財源となる公共施設等適正管理推進事業債は2026年度が事業期間の最終年度。27年度以降の在り方が問われている中、同事業債の拡充・延長を求める要望が自治体から出ており、行方が注目される。
同事業債は、自治体の公共施設等総合管理計画などに位置付けられた▽集約化・複合化▽長寿命化▽転用▽立地適正化▽ユニバーサルデザイン化(公共施設などの改修)▽除却-の各事業の財源として手当てされている。費用の90%に手当てでき、事業によっては元利償還金の50%が交付税措置される。
過去に建設された公共施設が更新期に入り、人口減少から廃止、除却が計画される施設が多い。広島県大竹市は、同事業債で2カ所の保育所の機能を新設する認定こども園に集約した。保育所の建物を25~26年度に除却した上で、別財源を活用し、子育て世代の支援センターや児童館の機能を備えた施設を整備する。こども園には年齢別の保育室や一定の駐車場を設けたことで待機児童と送迎時の道路渋滞を解消できた。維持管理費の縮減や、跡地を有効利用する効果もあった。
総務省は26年度に、集約化・複合化事業の対象に公営住宅の除却を追加した。公営住宅は都道府県の行政財産の約38%(延べ面積約6400万平方メートル)、市町村は約20%(約9300万平方メートル)を占める。同省によると公営住宅の戸数ベースのストックは築40年以上が約55%になるという。公営住宅の除却を追加したのに伴い、1棟に集約することにした既存2棟を除却するような事業の財源が手当てされることになった。
同事業債の適用は、26年度に工事着手した事業は27年度以降も同様の財政措置を講じる経過措置が設けられているものの、事業期間は26年度まで。総務省が公表した審議会の議事概要によると、4月14日の会合では公共施設の適正管理について議論し、公共施設等総合管理計画とそれに基づく道路、河川などの個別施設計画の策定状況などを確認した。ある委員は同事業債の事業期間の最終年度となることで「27年度以降の在り方については、事業債がなくなった場合どうなるかを踏まえて検討する必要がある」と指摘した。総務省は拡充・延長の要望が届いていることを明らかにした。今後は委員の意見や公共施設の管理の現状を踏まえた対応が検討されていくことになる。







