国交省/出来高部分払い適切運用を/中東情勢受け、資金繰り懸念で活用ニーズ

2026年5月11日 行政・団体 [1面]

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 中東情勢に起因する資材価格高騰などで、建設会社の収益圧迫や資金繰りの悪化が懸念される中、国土交通省が直轄工事で運用する「出来高部分払い方式」への適切な対応を地方整備局などに要請した。受注者が希望すれば、短い間隔で出来高に応じた工事代金の部分払いを可能にする仕組み。金利上昇や手形廃止の動きも相まって円滑な資金調達を求める元請の声は強まっており、国交省は地方自治体など他の公共発注者にも直轄の運用を参考にした対応を求めている。
 出来高部分払い方式は直轄工事で2006年に本格導入した。既存の前金払い制度を残したまま、3カ月に1回程度の制限内で出来高に応じた部分払いや設計変更協議を発注者に請求できる。契約時に受注者が従来の中間前金払い方式と部分払いのどちらかを選択可能としている。国交省によると、受注者が部分払いを選択した割合は把握していないが、現状はそれほど多くはないという。
 ここ最近、金利上昇で資金の借り入れコストが増加し、下請代金の手形払いから現金払いへの転換を迫られる状況にある。元請の資金繰り不安が膨らみ、中東情勢の影響による資材の調達不安や価格高騰が追い打ちを掛ける格好となっている。
 中東情勢を受けて全国建設業協会(全建)が4月30日に国交省へ提出した緊急要望では、受注者の資金繰り悪化を避けるため「受注者の求めに応じて部分払いを適宜実施する」などキャッシュフロー改善の取り組みを求めた。資材調達の遅れなどで工期が延びた場合、工事代金の支払い時期も遅れることによる経営リスクを懸念する。
 国交省は、出来高部分払い方式の実施要領を整備局などに再度周知する文書を4月22日に送付。翌日には都道府県・政令市などにも参考送付した。既済部分検査を簡素化できる方法を周知し、出来高を確認する検査職員の負担軽減などに役立てる。
 中間技術検査を実施済みの工事は、その結果を既済部分検査の結果とみなすことが可能。現場での目視による確認に代わり遠隔臨場も活用できる。