中東情勢の影響で先行きの不透明感が増している不動産開発事業。不動産協会(不動協、吉田淳一理事長)が21日の総会後に開いた懇親会=写真=では、日本建設業連合会(日建連、押味至一会長)と合同で立ち上げる協議体での議論に対し、デベロッパー各社のトップから期待の声が相次いだ。受注者に求めるだけでは現状の打開につながらず、発注者も協力・協働しながら解決策を探りたいとの姿勢が共通して聞かれた。
「建築費はこの20年で5倍になった」。あるトップは自社で開発事業に長く携わってきた肌感覚からそう話す。震災復興や海外情勢に起因する資材・労務の逼迫(ひっぱく)で建築費は大きく変動してきたが、この2年ほどの急騰は次元が異なると映る。「(建設会社の)生産性向上の努力に期待したいが、その成果が見えにくい」と本音を漏らす。
ゼネコンらが提示する工事価格に、積算上の根拠を求める声は強まっている。別のトップは「10年、20年先を見て、リスクを取りながら事業を進めている」と話す。都市づくりを担うデベ各社は、工期2、3年以上の大型プロジェクトを抱える。当初の想定を超えて工期が延びたり、事業費が増えたりすることに納得が得られにくくなっている。
契約変更の適切な協議を促す改正建設業法の規定も念頭に、「(受発注者間で)変更の協議はしている」。ただし、協議のテーブルに着いて以降の「出口」をどう見いだすかは明確になっていない。こうした受発注者それぞれの利害に直結する課題について、団体間で認識を擦り合わせ、短期的に成果を得たいと期待するトップがいる。
建設業の担い手不足は、デベ各社にとっても重大な問題だ。複数のトップは「末端まで賃金が行き渡り、処遇が良くなることを望んでいる」と強調する。重層下請構造の中にボトルネックがあれば、その改善策もテーマになり得る。
テクノロジーを生かした建設生産の革新に期待しつつ、「発注者として対応しないといけないところも出てくるかもしれない」と指摘するトップもいる。受注者側の創意工夫を最大限生かせるよう、発注時の要件設定などで工夫の余地がないかを検討課題に挙げる。
「個社間では解決が難しい課題がある。両団体がきちんと話し合う場を持てるのは良い機会だ」。これまでの受発注者の商慣習や関係性に限界の兆しが見え始め、互いに踏み込んだ議論で難局を打開したいという各社共通の意向がある。論点によってはすぐさま合意に至らず、長期的な検討を要する可能性もある。日本の都市開発事業の継続的な発展のためにも、腹を割った話し合いが望まれる。







