神奈川県葉山町が、民間資金などを活用して下水道施設の維持管理を効率化する取り組みに力を入れている。下水道管路の管理・更新と下水処理場の運営を分け、ウオーターPPPとして2件のPFI事業を推進。民間の資金や経営手法を活用することで、これまで投入していたコストや労力をできるだけ抑え、より効率的な行政運営につなげる考えだ。町は、公園や道路など下水道以外の分野でも民間活力の導入を検討していく。
町が管理する下水道管路は総延長が約120キロに上り、1994~98年に集中整備された。耐用年数が50年とされる管路は約20年後、一斉に更新期を迎える。葉山浄化センターと葉山中継ポンプ場内の機械設備は既に更新期に入っている。町は一刻も早く老朽化対策を進める必要があるという姿勢だが、マンパワー不足やコスト負担など課題がある。
町によると、16人が在籍する技術系職員のうち、約7割に当たる11人が55歳以上という。さらに、下水道事業費を一般会計から補填する繰入金依存率は約48%まで上昇。職員に代わるマンパワーの確保とコスト抑制には、民活導入が必要と判断している。
取り組みの下地づくりとして2018年、下水道未普及解消事業に設計・施工一括(DB)方式を採用した。その結果、整備面積は従来発注時の40ヘクタールから43ヘクタールに拡大できた。事業期間は2年、コストも約4億円圧縮されたという。
ウオーターPPPのうち、管路の管理業務は東急建設・フジ地中情報・中央設計技術研究所JVが担っている。27年4月からは、メタウォーター、住友重機械エンバイロメント、不二テクノ、清水建設の4社が出資する「アクアデザイン葉山」が、浄化センターやマンホール設備などの維持管理・改築を担当する予定だ。
PPPが軌道に乗ったと判断した段階で、町は官民出資の特別目的会社(SPC)を設立する方針。SPCは、民間の業務成果を評価する業務や、公共施設の維持管理を担う将来人材の育成などに取り組む。「(SPCが得た)知見やノウハウを、同じような問題に直面する周辺自治体と共有したい」(秋本圭介下水道課主査)としている。







