国交省/工事・成果物に求める「品質」整理必要/総合評価方式見直し検討で方向性

2026年5月28日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、直轄工事の入札で運用する総合評価方式の見直しに向けた検討の方向性を固めた。施工能力や技術提案の「評価」の良しあしが、工事や完成物の「品質」にどう関係しているかに焦点を当てて現状を検証する。完成後一定期間が経過したインフラの状況を見て、入札時の技術提案がどう反映されているかなどを確認する。有識者に意見聴取を始めており、発注者として求める「品質」を明確に定義付けする必要性などが指摘されている。
 学識者や建設業団体で構成する「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会」(座長・小澤一雅政策研究大学院大学教授)の27日の会合で説明した。国交省は現行の総合評価の運用状況を分析。工事成績の観点で工事の品質向上に寄与している一方、完成物の耐久性や長期の機能発揮などインフラそのものの品質向上への貢献を「明確に確認できていない」と問題提起している。
 今後の検証では多義的な捉え方がある「品質」を、工事成績と完成後の状況の二つの視点で確認する方針だ。入札時の技術提案などの評価と照らし合わせ、提案が品質向上につながっているかどうかを把握する。
 有識者からは単純な工事品質にとどまらず、それ以上の「品質」を発注者が求めるのであれば、それを整理し明らかにすべきだとの指摘が相次いだ。制定当初は工事そのものの品質を念頭に置いていた公共工事品質確保促進法(公共工事品確法)の射程が、担い手の確保・育成や働き方改革の推進に広がっている。総合評価で扱う品質の範囲があいまいになっている現状をいったん整理する必要性が高まっている。
 新規参入より事業者撤退が目立つ市場では純粋な競争政策の有効性は落ち、産業政策の融合が必要だとの指摘もあった。建設産業の現状と将来展望を踏まえ、今後の調達方式の検討を求める声も上がる。
 国交省は今後の検討の参考にするため、受発注者の認識などを把握するアンケートを年度内に行う方針も示した。評価と品質の関係性などで現場の声を拾い上げるとともに、総合評価全般で現状の課題や改善意見を幅広く聞く。受注者側は日本建設業連合会(日建連)か全国建設業協会(全建)会員の直轄工事に入札する会社が対象で、実作業に携わる担当者個人の意見も求める。総合評価の手続きで発生する受発注者それぞれの事務負担の実態などを把握する。