折り返しを迎えた10カ年長期経営計画の目標達成を最重要課題に据える。東京・渋谷のまちづくりへの参画を継続し、鉄道を中心とした土木事業や新規事業を推進。デジタル強化やM&A(企業合併・買収)を通じて強固な事業基盤を築き、全社を挙げて顧客満足度の向上に取り組む。
--就任の抱負を。
「長期経営計画の目標達成が最大のミッションだ。さらに2035年度、40年度も見据えた成長戦略も策定したい。そのためにも強みとするまちづくりの領域を拡大し、再生可能エネルギーや海外事業も伸ばして事業ポートフォリオの変革を加速させる。全社一体で顧客と真摯(しんし)に向き合い、提供価値の創造と向上を目指す」
--業績の現況と目標を。
「26年3月期は連結売上高(3411億円)、単体受注高(4089億円)ともに過去最高を更新した。連結営業利益(163億円)と営業利益率(4・8%)も長期経営計画の目標を上回る水準にある。営業を含めた現場力の強化や逸失利益をなくす対策など、この3年間注力してきた『稼ぐ力の再構築』の成果が表れている。27年3月期も営業増益と過去最高の受注高更新を見込んでいる。31年3月期に掲げる営業利益目標(220億円以上)を前倒しで達成したい。現時点で影響は限定的だが、今後も中東情勢など外部環境の変化を的確に捉え、適切に対処する」
--注力する分野は。
「今後約10年で1兆円規模の投資が見込まれる渋谷のまちづくりに、少しでも多く参画したい。駅街区が中心だった渋谷の再開発は、これから宮益坂など周辺エリアへ広がっていく。当社が渋谷や東急電鉄沿線などで蓄積してきた都市機能を止めない高難度施工の実績を、全国のまちづくりに生かしたい。建築では物流施設や冷蔵冷凍倉庫、データセンターの引き合いが多い。ホテル需要の動向にも目を配る」
「土木は、強みとする鉄道の連続立体交差やホームドア整備に照準を合わせる。国土交通省、防衛省、農林水産省などが発注する国直轄の一般土木工事も同業他社並みの対応をしたい。実績が重ねられる環境も整え、受注機会の確保を目指す。戦略事業として、不動産や太陽光発電などの再生可能エネルギー、木質建築、スマート林業を推進する。地方自治体のコンセッション(公共施設等運営権)にも参画したい」
--事業基盤の強化策は。
「AIやロボットを活用し、自動化施工など一歩踏み込んだデジタル戦略を進める。M&Aやアライアンスは、地場ゼネコンや防災・減災分野の異業種企業などを視野に入れている」。
(6月24日就任予定)
(ひさだ・こうじ)1987年鹿児島大学法文学部卒、東急建設入社。執行役員九州支店長、建築事業本部法人営業統括部長、管理本部長、常務執行役員経営戦略本部長を経て2026年4月から業務統括。「営工管理一体」で取り組んできた約30年の営業経験から、周りの人を思いやる「利他」の考え方を大切にする。鹿児島県出身、63歳。








