清水建設は、バイオ炭を配合した自社開発の環境配慮コンクリートで、優れたアンモニア放散抑制効果を確認した。バイオ炭の化学物質吸着能力に着目。バイオ炭や混和剤の配合量を最適化し、コンクリートから放散されるアンモニアの低減効果を検証した。展示収蔵品の劣化や製品不良を招くアンモニアの特性を踏まえ、美術館・博物館や半導体製造施設向けソリューションとして積極提案する。
環境配慮コンクリートの「SUSMICS-C」は、木質バイオマスを炭化させたバイオ炭を混合して製造する。植物が成長過程で吸収した二酸化炭素(CO2)をコンクリートに固定。バイオ炭の炭素含有率は約90%と高く、1キロ当たり実質2・6キロのCO2が固定できる。
SUSMICS-Cに比べアンモニア放散の少ない混和剤を配合し、その効果を最大限高めた「SUSMICS-Ca」として新たに確立した。同社によると、二酸化炭素(CO2)削減と両立する国内初のソリューションになる。検証では、コンクリート1立方メートル当たりバイオ炭を80キロ混合したSUSMICS-Cが強度などの所定品質を満たした上で、アンモニア放散量を75%程度、CO2排出量を80%程度削減することを確認した。
初弾として、広島市中区で施工中の泉美術館(S造地上6階建て延べ2757平方メートル規模)の床に適用する。バイオ炭を20キロ混合した設計強度1平方ミリ当たり24ニュートン(N)のSUSMICS-Caを計250立方メートル打設する。事前の試算では、アンモニア対策を行わない同量の普通コンクリートからは260リットルのアンモニアガスが放散されるのに対し、SUSMICS-Caからは47リットルにとどまる。2027年4月に打設する予定だ。
同社によると、29年春の開館予定までに打設から2回夏季を越す「枯らし期間」を確保。打設後、館内の空気質モニタリング調査を実施し、アンモニア室内濃度の推奨値がいかに短期間でクリアできるかも検証する。枯らし期間を普通コンクリートの5分の1程度に短縮できると見ている。









